ー日常ー街の住人達【7】

ー東京広尾:ビストロ温泉ー

マリアはすぐにハピハッピーの番号を番号案内にたずねるために電話をした。

マリア「もしもし幸福神ハッピハッピー様の番号をお願いします!はいはい!ありがとうございます!……もしもしハッピハッピーさまぜひ日本に遊びに!えっすぐに行く!?ありがとうございますっ!」

それを聞いてお熊とマリアはまた店の中へと飛び込んだ。

お熊「幸せだわー」

マリア「元気ですー!」

「「ゆううつー……」」

見事な三段落ち。

転太「おんなじじゃないか」

お熊「おマリちゃん!!」

マリア「わーー!こうなったら最後の手段!」

助手「最後の手段?」

マリア「もしもし!インド神様組合ですか!日本へ団体旅行に来ていただきたいのですが、そうです神様全員で!!」

その結果、お店の中は神様でてんこ盛り……と思いきや。

お熊「何も感じないわ。誰もいなくなったみたい。」

転太「おマリ、これはいったい?」

マリア「作戦成功!詳しいことは知りませんがインドにはたくさん神様がいるそうですね!」

転太「うむ数百万とも一千万とも言われる」

マリア「日本にも八百万の神様がいます!その日本の神様が大挙して押し寄せるインドの神様を見て、観光旅行と信じるでしょうか!いえ、絶対殴り込みだと考えるはず!そうなったら大ゲンカになりヤムサッカサムも喧嘩に駆り出され、うちのお店のことを忘れるだろうと推理した。この私のいわゆるひとつの見事な作戦なのです!」

転太「自分でいうとりゃ世話ないが……しかし確かにいなくなってるのを見ると作戦が当たったのかもしれんが、それにしても」

お熊「それにしても?」

転太「神様同士の大喧嘩が始まっているにしては見ように静かじゃないか」

お熊「そういえば…」

すると、店の電話がなった。

マリア「はい、もしもし、ああ、これはヤムサッカサムさま。はあ、あとからお友達がたくさん見えて、はあはあ同じアジアの神様ということで日本の神様たちと意気投合、これからみんなで西洋の神様の悪口を肴に天の川の川原ででバーベキューパーティ、けっこうですね。えっ、せっかく接待してもらったのに中座して申し訳ない?いやいやどうかお気遣いなく。また遊びに来てください。ええ、五百年後ぐらいに、えっそんなにすぐまたお邪魔してもいいのかって?なんなら三百年後でも構いませんよ。はっそれでは失礼します。」

マリアは何度かお辞儀をして電話を切った。

お熊「……」
転太「……」
助手「……」

マリア「作戦とは少し違いましたが終わり良ければ総て良しということで。」

お熊「こんな展開が許されてイイの!?」

転太「わしにいわれても。」
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