ー日常ー街の住人達【7】

ー常春の国エメラダ:裏庭ー

叫ぶと怪獣の後ろ、尻尾の付け根のあたりからチャリンッと音を立てて何かが落ちた。

ボツリヌス『あっ!』

ミハイル「えっ?」

ボツリヌス『すっすまん!りきんでしまって……つい!』

ミハイル「これは?」

殿下はその落ちた何かを拾おうとする。

ボツリヌス『おいっさわるな!きたない!それはオレ様のンコだ!』

ミハイル「ええっ!?」

ムーン1「殿下、なにを怪獣のンコなんかまじまじと見てるんです。」

ミハイル「お前たちも見てみろ」

チコ「嫌ですよ。」

ミハイル「いいから!」

「「「え~~?」」」

ムーン1「なんでこんなものを……え?」

ムーン2「は?」

チコ「殿下これは……!」

ミハイル「ちゃんと刻印まではいった間違えようのない小銭だ!!おい、これがおまえのンコだと!?」

ボツリヌス『あ、ああ、そうだ』

ミハイル「何を食べたらこんなンコがでるんだ!」

ボツリヌス『なんでも』

ミハイル「なんでも?!」

ボツリヌス『うまいと思うのはやわらかい動物だが、しかし宇宙をさまよっていてそんなごちそうに出会うチャンスはめったにない。そんな時はかたい甲羅を持った奴だろうがグチャグチャのベチャベチャのゲロゲロの奴だろーと次元を半分越えててどう見ても不気味な妖怪だか死神だか分からない奴だろーと何でも喰う』

チコ「うわ~…」

ボツリヌス『それもない時は鉱物でもいいんだ。岩でも食えばとりあえず腹はふくれる』

チコ「めちゃくちゃものすごい雑食ですね。」

ミハイル「生物だろうが鉱物だろうが何でも食べて!それが全部このンコになるというんだな!」

ボツリヌス『だからそういっとろーが!!』

ミハイル「ボツリヌス君、いい所に来た」

ボツリヌス『へっ?』

チコ「殿下なにを考えてるんです。」

ミハイル「黙ってろ。ボツリヌス君、きみの話を聞いていると銀河を荒らすためというより食べるために宇宙を彷徨ってるようだな。」

ボツリヌス『ま……まあな。食わなきゃ生きてけないからな。』

ミハイル「今までに満腹になったことがあるか」

ボツリヌス『いや……ないと思う』

ミハイル「満腹にしてやろうか」

ボツリヌス『へっ?な、なぜそんなご親切を?』

ミハイル「これはわが地球では小銭と呼ばれていて僕が趣味で集めているものだ。君にご馳走してコレクションが増えれば僕も嬉しいのさ。」

ボツリヌス『へーえ、こんな物でよかったらいくらでもひりだしますが。』

ミハイル「よし、話は決まったな。ついてこい」

ボツリヌス『へいっ!』
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