ー日常ー街の住人達【7】
ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー
「早く帰らなくちゃと思ったし、もうすぐ夕食の時間なのも分かってたけどつい並んじゃってね。」
ムーン1「並んだんかい」
「一時間ほど待たされたけど、一杯頼んでふたりで分けたんだ。」
ムーン1「どんなラーメン」
「ポンコツラーメン」
ムーン1「ああトンコツラーメン」
「トンコツじゃなくてポンコツ」
ムーン1「はあ?!」
「だって店の名前が「ポンコツ屋」」
ムーン1「ポッポ屋みたいな感じなのか……」
ムーン2「見当もつかないんだがどんな味なんだい?」
「わかりやすくひと言でいうなら……ポンコツ味」
ムーン1「ますます意味不明だ」
ムーン2「そんな店を出す奴も出す奴なら行列する連中も行列する連中だな。」
チコ「あのー」
ムーン1「なんだい?」
チコ「倉庫からこんなものが」
差し出した手の中には黒くてゴツイ時計のようなものがおさまっている。
ムーン1「それは?」
チコ「手作りの目覚まし時計らしいです。裏にヒギンズという銘が」
「「「えっ」」」
ムーン1「ヒギンズと言うとヒギンズ三世!?先代国王、殿下のお父上!」
チコ「ですよね。」
ムーン1「時計をつくる趣味がおありとは知らなかった」
ムーン2「でもルイ十何世だったかは錠前作りが趣味だったそうだから王さまってそういうのが好きなのかもね。」
チコ「殿下もアレで発明大好きですしね。」
ムーン1「動くの?」
チコ「ゼンマイ式みたいですが」
ムーン2「巻いてみよう」
錆びてもいないらしく小意気にギリギリと歯車が動く音がして一定数巻くとカチッとハマる音がした。
ドッガーーーーーンッ!!
宮殿の隅から隅まで響くほどの大爆発音。実際に爆発したわけではないが、その場にいたムーンたちやチコはへたりこんでしまっている。
ムーン1「なっ……なんだこれはーー!?」
驚いているところにミハイルが神妙な顔でやってきた。今の件の雷を落とすのかと思いきや
ミハイル「話は聞いてた。ポンコツラーメンといい父上の目覚まし時計といい何が起こるんだろう何かが起きそうだと思わせておきながら、いざ蓋を開けてみたらなんじゃこりゃという感じだ。なにかを暗示しているような……」
ふと、窓の外に目をやると夜空に一筋の流れ星が走った。
「早く帰らなくちゃと思ったし、もうすぐ夕食の時間なのも分かってたけどつい並んじゃってね。」
ムーン1「並んだんかい」
「一時間ほど待たされたけど、一杯頼んでふたりで分けたんだ。」
ムーン1「どんなラーメン」
「ポンコツラーメン」
ムーン1「ああトンコツラーメン」
「トンコツじゃなくてポンコツ」
ムーン1「はあ?!」
「だって店の名前が「ポンコツ屋」」
ムーン1「ポッポ屋みたいな感じなのか……」
ムーン2「見当もつかないんだがどんな味なんだい?」
「わかりやすくひと言でいうなら……ポンコツ味」
ムーン1「ますます意味不明だ」
ムーン2「そんな店を出す奴も出す奴なら行列する連中も行列する連中だな。」
チコ「あのー」
ムーン1「なんだい?」
チコ「倉庫からこんなものが」
差し出した手の中には黒くてゴツイ時計のようなものがおさまっている。
ムーン1「それは?」
チコ「手作りの目覚まし時計らしいです。裏にヒギンズという銘が」
「「「えっ」」」
ムーン1「ヒギンズと言うとヒギンズ三世!?先代国王、殿下のお父上!」
チコ「ですよね。」
ムーン1「時計をつくる趣味がおありとは知らなかった」
ムーン2「でもルイ十何世だったかは錠前作りが趣味だったそうだから王さまってそういうのが好きなのかもね。」
チコ「殿下もアレで発明大好きですしね。」
ムーン1「動くの?」
チコ「ゼンマイ式みたいですが」
ムーン2「巻いてみよう」
錆びてもいないらしく小意気にギリギリと歯車が動く音がして一定数巻くとカチッとハマる音がした。
ドッガーーーーーンッ!!
宮殿の隅から隅まで響くほどの大爆発音。実際に爆発したわけではないが、その場にいたムーンたちやチコはへたりこんでしまっている。
ムーン1「なっ……なんだこれはーー!?」
驚いているところにミハイルが神妙な顔でやってきた。今の件の雷を落とすのかと思いきや
ミハイル「話は聞いてた。ポンコツラーメンといい父上の目覚まし時計といい何が起こるんだろう何かが起きそうだと思わせておきながら、いざ蓋を開けてみたらなんじゃこりゃという感じだ。なにかを暗示しているような……」
ふと、窓の外に目をやると夜空に一筋の流れ星が走った。