ー日常ー街の住人達【7】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

プロ「ふむ、つまり話を整理するとあなた方の主君エメラダ国王ミハイル殿下が趣旨を理解していなくて勝手に脱出する、と」

ムーン1「はい、そうです」

プロ「ルールを守ってくれないのは困りますね。」

ムーン2「どうしたらいいでしょう」

プロ「ふうむ相手が主君ではあなた方も強い態度には出れないでしょうね。」

ムーン1「それはもちろん」

ムーン2「ヘタなことをしたらすぐに死刑ですから」

プロ「ハッハッ、それはまあ冗談でしょうが」

「「……」」

事実なんだけどなぁとは言えない二人。

プロ「しかし私は部外者です。強くいきます。」

ムーン1「というと?」

プロ「殿下を部屋にひとりで入れません。見張りをつけます。あなた方が見張りです。それぞれにスタンガンを持っていただいて殿下がルールを破ろうとしたら阻止していただきます。」

ムーン1「スタンガン!?」

ムーン2「それこそ死刑ですよ!」

プロ「大丈夫です。ただのダミーです。オモチャです。実害はありませんただのおどしです。」

ムーン1「ホントに平気かなぁ」

プロ「ではさっそく密室づくりにとりかかりましょう。」

ムーン1「倉庫をお使いください。」

さしてまた次の日…

ムーン1「できた」

プロ「殿下をおつれください私も見張りとして参加します。」

~~

ムーン1「殿下、プロヘッショナルです」

ミハイル「えっ?なにが?」

ムーン1「脱出ゲームのプロが密室を作ったんです。さっそく始めましょう。」

ミハイル「えーーー?どこが楽しいのかちっともわからん脱出ゲームにプロなんかいるのか」

ムーン1「殿下がわけのわからない脱出をするからですよ。」

チコ「確かにちゃんとヒントを解けば楽しいはずです。」

ミハイル「そーかなぁ」

不満たれたれながらもなんとかミハイルを倉庫にまで連れていくと。

プロ「お待ちしておりました。」

ミハイル「コイツが自称プロか」

チコ「殿下…」

ミハイル「しかしたしかに……プロと名乗るだけあって今までとは雰囲気が違う」

倉庫内はちょっとしたアトラクション施設みたいにダンジョン化している。

プロ「ヒントを解いて脱出してください。ドアを破ったりしてルールを守らない場合見張りが持つスタンガンで阻止させていただきます。」

チコ「えっ」

ミハイル「スタンガン?」

ムーン1「えーと…」

ムーンたちは確かにスタンガン(オモチャだが)をもっている。
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