ー日常ー街の住人達【7】

ー東京広尾:ビストロ温泉ー

マリア「ですが、どうします?監視カメラも役には立ちませんでしたよ?」

お熊「テクノロジーでいこうとしたのがまちがいね。妖しの存在にはその道のプロをぶつけるべきだわ。」

ということで、お熊は一本の電話をかけた。

相手はアラファト家政婦派遣協会怪奇班第一調査室、首席調査官の山坂転太。

転太『はい、ああ、お前さんか』

お熊「ちょっとまた困っことが起きまして」

転太『またぞろ事件かい。あんなやっかいな場所に店を作れば当然の事だが』

お熊「それで妖しの者を見極める方法を教えて欲しいのですが」

転太『素人には土台無理な話だ。特別な能力がなければ……』

お熊「では、転太さんか部下の方で手を貸してくれません?」

転太『いやわしは手が離せんし部下も出払っとるんだ。どうするかな……おおそうだ。トネリコの葉が使えるかもしれん。』

お熊「トネリコ!?」

転太『本来はミイラ封じに使用するのだがたいがいの怪奇な存在はトネリコの葉をいぶした煙を嫌うのだ。それで判別ができるのではないか?』

お熊「わかりました。やってみます。」

マリア「トネリコというと……竜のクエストにでてくる商人の?」

お熊「そりゃトルネコよ。いいから準備して」

マリア「イェッサー」

そして翌日の夜

お熊「このところ連続で現れてるから今夜も来る可能性は大よ。おマリちゃん用意はいい?」

マリア「はい」

業者に頼んだら半日で特大の袋いっぱいに持ってきてくれた。最近の通販は凄い。

開店後一時間で満席でなった頃合いを見計らって……。

お熊「おマリちゃんいまよ!」

マリア「ファイヤー」

携帯型フレイムロアーが山盛りのトネリコの葉の山に火炎を浴びせる。

お熊「なんて乱暴なまねをするの!」

マリア「葉っぱが生乾きで燃えにくそうだったので。」

お熊「だいたい火炎放射器なんかどこから持ち出してきたのよ。」

マリア「何だか知りませんがCIAのひとが置いていったんです。」

なんだかんだでモクモクと煙があがってき。それを大きなうちわで扇いで店内へと充満させる。

お客A「くんっ……おい、やったな。」

お客B「へ?」

お客A「そう屁だ」

お客B「えっ?」

お客A「とぼけるなかましただろ」

お客B「なにを?」

お客A「だから屁だっつーとるだろーが!」

お客C「いやオナラの臭いじゃないよ。葉っぱを燃やしたような臭いだ」

お客D「おーい、奥で何か焦げてるんじゃないのか?」
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