ー日常ー街の住人達【7】

ー東京広尾:ビストロ温泉ー

リーマンA「あったここだ、ここだ。」

リーマンB「営業の連中がいってた足湯ビストロ、安くてうまくて気持ちがいいそうだ。入ってみよう。」

お熊「いらっしゃいませー。おマリちゃんご新規様よ」

マリア「はーい、ようこそおいでました。」

リーマンA「この人数だけど大丈夫かな?」

男性6人、まだ席は空いている。

マリア「お客様六名様ですね。こちらへどうぞ」

リーマンA「おいおいよく見てくれ、6人じゃなくて5人だよ」

マリア「えっ、ひいふうみい……あっ、ほんとだ。」

リーマンA「しっかりしてくれ。湯気でのぼせてるんじゃないか?」

「「ハハハッ」」

マリア「失礼しました……?」

数え間違えるなんて初歩的なミスはしないはずなのだがと首を傾げつつ席へと案内して、お冷とおしぼりを5つ用意した。

リーマンC「はー、これはいいな。」

リーマンD「ホントだ気持ちがいい。」

マリア「ご注文がお決まりになりましたらそちらのボタンを押してください。」

一礼して離れようとすると誰かに服のすそを引っ張られた。

「お姉さんコップがひとつ足らないよ」

マリア「あっはい申し訳ありません。」

なんだやっぱり六人じゃないかとおマリは追加のお冷とおしぼりを用意しに戻った。

~~

さて、いよいよお勘定をはらう段になって

リーマンA「あー、食った食った。安いメニューばかり注文したけど、この味なら満足だ」

リーマンB「今度は女子も連れてこよう」

リーマンC「おーい、お勘定」

マリア「ありがとうございます。八万三千円です。」

「「「はちまんーーーー!?」」」

リーマンA「冗談じゃない、いくらなんでも高すぎる!」

リーマンD「ここはぼったくりバーか!」

ぼったくりというの声に他のお客がざわざわと騒ぎ出す。

お熊「お客様、大声をおだしになりませんように。おマリちゃんどうしたの?」

マリア「たくさん召し上がっていただいたから8万円を超えたんだけどお客様が納得いかないみたいで」

リーマンA「ぼったくりでなけりゃ何かの間違いだ!計算し直してくれ!」

お熊「伝票をみせて」

マリア「はい」

お熊「鴨のローストプロヴァンス風、蠣のコキール、黒トリュフのスパゲティー。うちで一番高額なメニューばかりです。8万こえて当然です。」

リーマンA「喰っとらん!自慢じゃないが給料前で金がないのでイカゲソや魚肉ソーセージや安いものばかり食べてたんだ!鴨なんぞお目にもかかっとらんわ!」
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