ー日常ー街の住人達【7】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

ミハイル「明日の朝食はロイヤル=ハイネス=エメラダホテルのイタリアンレストランの一番高いコースが食べたい!」

「「「ええっ!?」」」

ミハイル「三万円はするコースだ。魚の干物なんかと交換してくれるはずがない。」

その夜、ムーンたちは総出でミハイル山へと向かいました。狙いは珍味、絶壁に生える幻のミドリキクラゲ、白トリュフ、赤燕の巣……。

そして、翌朝にはイタリアンのフルコースが朝食として並べられました。

ミハイル「……」

チコ「とても珍しい食材と交換していただいたそうです。」

ミハイル「おのれぇぇっ!」

料理の味も分かってないような勢いで食べ尽くして理不尽が服を着ているようなミハイルは、あるお触れを出しました。

【エメラダ国民は物々交換をしてはいけない。エメラダ国王ミハイル8世】

もちろん、これには国民も驚きですが、とうぜんムーンたちも寝耳に水です。

ムーン1「殿下!なんですかあのお触れは!」

ミハイル「急に物々交換がきらいになったんだ!文句あるか!」

チコ「わー……理不尽」

ミハイル「ふんっ!今日の夕食は同じホテルのフランス料理店「エル・コンドル・パサ」の一番高いディナーコースだ!物々交換をしてはいかんぞ!4万円のコースだ。今度こそ手も足も出まい。フッフッ」

チコ「フランス料理でどうしてエル・コンドル・パサなんでしょうか…」

ムーン1「そんなことより交換ができないとなると……」

そして運命の夕食時

チコ「ディナーコースです」

ミハイル「なんでだっ!食費か!物々交換か!」

チコ「それが……」

ムーン1「どっちもやってません」

ミハイル「なにぃ?」

ムーン1「頭を絞って一生懸命考えた結果、エメラダ商店街で野菜や魚を売ることにしたのです。」

ムーン2「つまり商売をやって儲けたわけです。」

ムーン1「一時はどうしようかと思ったんですが窮すれば通ずるといいますか急須ればお茶といいますか、なんとかなるもんです。」

「「ハッハッハッハッ」」

ミハイル「…………」

さすがのミハイルも今度こそはあきらめ……ることは当然なく、またお触れを出しました。

【エメラダ国民は商売をやってはいけない。エメラダ国王ミハイル8世】

チコ「経済がストップして国民が飢え死にしちゃいますよ!」

ミハイル「かまわんっ!!」
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