ー日常ー街の住人達【7】
ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー
チコ「殿下、夕食の用意ができました。」
ミハイル「うむ。今晩のメニューは何だ。」
チコ「お刺身、焼き魚、煮魚、アラ汁です」
ミハイル「また魚か。好きだから構わんが……しかし最近魚料理が多いな」
チコ「理由があります」
ミハイル「理由?う~ん……魚だけにギョッとか?」
チコ「シャレにもなんにもなってないじゃありませんか」
ムーン1「正直言って殿下からいただく食費は大変少ないので」
ミハイル「文句を言うな!!家来のぶんざいで何たる言い草だ!少ないと思ったら工夫せんか!やりくりだ倹約だ節約だ!」
チコ「落ち着いてください」
ムーン1「ですから工夫してるんです」
ミハイル「えっ?」
ムーン1「近ごろ、われわれ自分たちで釣りをやってるんですよ。」
ミハイル「釣りなら前からやってただろう」
ムーン1「趣味程度には、ですが最近は違います。」
チコ「毎日明け方にほとんどムーンの皆さん全員で海に出かけて釣ってるんです。」
ムーン1「釣りというより漁業です。そうやって手に入れた大量の魚を煮たり焼いたりしてそのまま食べるのはもちろん。干したものから出汁を取って化学調味料分の出費を押さえたり粉末にしたものをパン生地に練りこんで小麦粉を節約したり」
チコ「いろいろやってるんです」
ミハイル「ふーん頑張ってるんだな」
ムーン1「そのとおり。少ない食費の中で殿下が毎日おいしいものをお腹いっぱい食べられるのもわれわれの工夫のたまものです。ハッハッハ」
ミハイル「……」
そして翌日
チコ「今朝はいいブリが釣れたそうですよ」
ムーン1「ブリとジャガイモがメインの北欧風野菜シチューにしました。」
ムーン2「ちなみに野菜も宮殿の裏の畑で自給自足してるんです。」
ムーン1「どうぞ、召し上がってください」
ミハイル「……あむ、もぐもぐ…脂が乗っててうまい…」
ムーン1「そうでしょう!」
ムーン2「実に見事なブリだったな。」
ムーン1「いやいや釣り上げた時の手ごたえと言ったら…」
ミハイル「魚もうまいが続くと飽きる今夜は肉が食べたい」
「「えっ」」
チコ「さすがに牛や豚は飼ってませんよ」
ムーン1「しょうがないなけなしの食費のなかから」
ミハイル「いかーん!食費は宮殿の年間費用の一部!いわば公的な金だ!公的な金は使わず創意工夫でなんとかするんだ!」
チコ「殿下、夕食の用意ができました。」
ミハイル「うむ。今晩のメニューは何だ。」
チコ「お刺身、焼き魚、煮魚、アラ汁です」
ミハイル「また魚か。好きだから構わんが……しかし最近魚料理が多いな」
チコ「理由があります」
ミハイル「理由?う~ん……魚だけにギョッとか?」
チコ「シャレにもなんにもなってないじゃありませんか」
ムーン1「正直言って殿下からいただく食費は大変少ないので」
ミハイル「文句を言うな!!家来のぶんざいで何たる言い草だ!少ないと思ったら工夫せんか!やりくりだ倹約だ節約だ!」
チコ「落ち着いてください」
ムーン1「ですから工夫してるんです」
ミハイル「えっ?」
ムーン1「近ごろ、われわれ自分たちで釣りをやってるんですよ。」
ミハイル「釣りなら前からやってただろう」
ムーン1「趣味程度には、ですが最近は違います。」
チコ「毎日明け方にほとんどムーンの皆さん全員で海に出かけて釣ってるんです。」
ムーン1「釣りというより漁業です。そうやって手に入れた大量の魚を煮たり焼いたりしてそのまま食べるのはもちろん。干したものから出汁を取って化学調味料分の出費を押さえたり粉末にしたものをパン生地に練りこんで小麦粉を節約したり」
チコ「いろいろやってるんです」
ミハイル「ふーん頑張ってるんだな」
ムーン1「そのとおり。少ない食費の中で殿下が毎日おいしいものをお腹いっぱい食べられるのもわれわれの工夫のたまものです。ハッハッハ」
ミハイル「……」
そして翌日
チコ「今朝はいいブリが釣れたそうですよ」
ムーン1「ブリとジャガイモがメインの北欧風野菜シチューにしました。」
ムーン2「ちなみに野菜も宮殿の裏の畑で自給自足してるんです。」
ムーン1「どうぞ、召し上がってください」
ミハイル「……あむ、もぐもぐ…脂が乗っててうまい…」
ムーン1「そうでしょう!」
ムーン2「実に見事なブリだったな。」
ムーン1「いやいや釣り上げた時の手ごたえと言ったら…」
ミハイル「魚もうまいが続くと飽きる今夜は肉が食べたい」
「「えっ」」
チコ「さすがに牛や豚は飼ってませんよ」
ムーン1「しょうがないなけなしの食費のなかから」
ミハイル「いかーん!食費は宮殿の年間費用の一部!いわば公的な金だ!公的な金は使わず創意工夫でなんとかするんだ!」