ー日常ー街の住人達

ー池袋:西口公園ー

寅「あ?」

崇「ん?」

寅「アンタ……なにしてんだこんなところで」

崇「俺が池袋を歩いていたらおかしいのか?」

寅「お付きの者がいねーじゃないか」

崇「俺だってたまにはひとりで歩きたいときだってある。そういうお前はなにしてる?」

寅「俺は……アレに呼び出された」

崇「ん?」

拳二「あ゛ー、あぢぃあぢぃ。」

崇「アレか」

寅「アレだ」

拳二「あー、ちくしょう。こんなあぢぃとタイルで目玉焼きが焼けるぞ。食いたくはねーけど」

崇「お前……ただでさえ声がでかいんだからひとりごとはやめた方がいいぞ。普段でも危ないヤツになのにいっそう危なく見える」

拳二「あぁん?なんで崇がいる」

崇「通りすがりだ」

拳二「そうか。ならお前も来るか?」

寅「待て、なんで呼びだした?」

拳二「飯食いに」

寅「…………」

拳二「なんだぁ、その目は」

寅「わざわざ来てやったらそんなことかよ……俺はまた新しい仕合の話しかと思ったのに」

拳二「んっな、暑苦しい話しすっかよ」

寅「…………」

崇「それで、何を食う?」

寅「アンタ乗り気かよ」

崇「もちろんお前の奢りなんだろ?」

拳二「しゃーねーなぁ。感謝しろや」

崇「あぁ、感謝しよう」

拳二「……なんか態度でけぇな」

崇「ふんっ」

寅「はぁ……まぁいいや。こうなったら食わないと損だし」

拳二「おうよ。ガキはそれでいいんだよ。それで……さて、んで何食うかな」

寅「肉」

拳二「いい発想だな。焼き肉行くか、んで夕方からはビアガーデン」

崇「飲みっぱなし喰いっぱなしか」

拳二「せっかくだ、悠にも連絡入れてやろう」

寅「でねーだろあいつは」

拳二「いや、こーいうときは意外とでるんだよ」

プルルル、プルルル、プルルル
プルルル、プルルル、プルルル

寅「でねぇみたいだな」

崇「自宅にかけて秋宵月に託しておけ、それが一番早い」

拳二「そーっすか……お?」

『はい、ドッピォです』

拳二「……誰だお前ぇ?」

ゆうな『小鳥遊ゆうなです。』

拳二「あぁ、嬢ちゃんか。っていうか、なんで悠の携帯にでてる」

ゆうな『なり続けてうるさかったから』

拳二「はぁ、それで悠は居るのか?」

ゆうな『下に居る』

拳二「だったら悪いんだがその携帯を今すぐもってってやってくれや」

ゆうな『あーい、ちょっとまってねー』
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