ー日常ー街の住人達【7】

ー平尾:ビストロ温泉ー

ダンディ「とどのつまりがゾウを包めたらゾウは行商人のもの。包めなかったら並べている品を全部ゾウ使いがもらうことになって行商人がゾウを包み始めた。」

風呂敷の大きさは当然ゾウを包めるほど大きくはない。だが、行商人がゾウの尻の方から風呂敷をかぶせてクィクィと滑らせていくとゆっくりとゾウの巨体が風呂敷の中へと納まっていくそして最後には見事に包んでしまった。

パンク「で?」

ダンディ「俺は行商人を追いかけてそのゾウをどうするつもりかと聞いた。」

行商人はあとで取りだして転売するですっと答えた。ならばゾウの値段も含めてその布を売ってくれと頼んで売ってもらった。

ミイラ「物好き」

ダンディ「仕事に役立つと思ったんだ。各国の要人を誘拐するときに便利だろうとな」

マリア「誘拐!?」

お熊「大きい声じゃ言えないけど」

マリア「お熊さん」

お熊「彼は国際的なA吸テロリストなのよ」

マリア「まともそうに見える人はテロリストですか……」

お熊「ちょっとガリオン14(フォーティン)その話は本当なの?」

ガリオン14「お熊、俺が嘘をついたことがあるか?」

お熊「……ないわね。それでお仕事の役には立ったわけ?」

ガリオン14「いや、それが後か気がついたんだが……包み込んで消したものの取りだし方を聞くのを忘れたんだ」

マリア「超A級というわりにドジですね」

ミイラ「じゃあ、それだと消えっぱなし?」

ガリオン14「消えることは見事に消えるんだが」

パンク「だれか何かつつんでみて」

ガリオン14「俺がやってもマジックと思われてもいかんためしてみろ」

マリア「では、このカップを」

近くにあったカップに風呂敷をかぶせてみる。

ガリオン14「そんな小さなものならすぐだ。あけてみろ」

言われたままに風呂敷をとってみるとカップはものの見事に消えていた。

マリア「あっ!」

お熊「消えたわね!」

パンク「いったいどういう原理なのっ」

ガリオン14「四次元ポケットみたいなもんじゃないかとは思うがよくはわからん。とにかくあれ以来いろんなルートを使って行商人の行方を探してるがいまだにみつからん。取りだし方が分からず消すだけではそれこそマジシャン以外の役には立たん代物だ。」

お熊「そうかしら使い道はあると思うけど」

ガリオン14「話のタネに持ってきたんだがお前さんが使えるというなら開店祝いに喜んでプレゼントさせてもらう」

お熊「ホント!うれしい!キスしちゃう!」
ブッチュン!ブッチュン!
ガリオン14「相変わらず髭が濃いなチクチクするぞ。ハッハッ」

マリア「ええっ?!」

お熊「いやぁねぇ乙女に向かってひげだなんてうぶげと言って」

マリア「(お熊さんもお熊さんだが、しかしお熊さんのおぞましいキスを受けて失神しない男を初めてみた!さすがはA級テロリスト!きっとティラノザウルス並みのずぶとい神経をもっているに違いない!)」

お熊「なにか心の中で叫んでる?」

マリア「いいえー」
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