ー日常ー街の住人達【7】

ー平尾:ビストロ温泉ー

御札売りの言った通り、はじめは何も感じませんでしたが三日も経つと……

マリア「……」

スッスッと湯の中も平然と歩いていた。

お熊「すごい!おマリちゃんすごいわ!まるでお湯が存在してないみたいに歩いてる!」

マリア「ええ、まったく抵抗を感じません。」

お熊「いったいなにをどうしたの!?」

マリア「詳しくは後で説明しますよ」

お熊「なんにしても完璧だわ!これでお店の成功まちがいなしよ!」

マリア「おー!」

いよいよ明日にオープンをひかえたその前夜お熊さんは親しい友人を呼んでお店をプレオープンしました。

最終チェックを兼ねるのと同時に皆さんにお店のことを知ってもらうためです。

お熊「いらっしゃいませー」

「「がやがや」」

一癖どころか二癖、三癖ありそうな方々の来店です。

お熊「こちらでお履き物をお脱ぎになりまして足元にお気をつけてまずは足湯をお楽しみください」

転太「どうも」

お熊「あらっ、家政婦協会怪奇班第一調査室の首席調査官である山坂転太さん。ようこそ」

転太「誰に説明してるのかね。招待状をもらったのできてみたのだが」

お熊「ええ、確かにご招待しましたわ。山坂さんにもお世話になりましたからほんのちょっとですが」

転太「えらい言われ方じゃな。まあいい他の客は?」

お熊「私の友達です」

転太「得体の知れない連中ばかりじゃな」

お熊「あなたに言われたくないと思いますよ。」

マリア「いらっ~しゃいませぇ~~……」

転太「おっ…おい相方はどうしたんじゃ!病気か!」

顔色は土気色で死人の方がまだ気色が良いかもしれない。目も焦点が定まっていない。

お熊「そうなんですよ昨夜から急に顔色が悪くなって……おマリちゃん大丈夫?」

マリア「大丈夫で……」

そう言いかけてマリアは何もないところで足がもつれてフラッとした、壁に手をついて支えようとしたがスッと手がすり抜けて倒れてしまう。

転太「これはっ!病気ではない!このおマリとやらに異変が生じておる!」

お熊「ええっ!?原因は!」

マリア「おかしいなぁ……幽冥禁邪符の副作用かな~……」

転太「きんじゃふ!?なんじゃそれは!」

マリア「ええとぉっ~幽冥水とかいう仙薬からつくった御札で……」

転太「幽冥水じゃと!「たわけたことを!幽冥水は仙薬などではないコテコテの魔薬じゃ!」
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