ー日常ー街の住人達【6】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

決定的な事件はさらにその2日後に起こりました。

ミハイル「だこどは上母」

ムーン1「お母上様ですか?」

ムーン2「スイスのサナトリウムですよ。もちろん」

ミハイル「かうそああ」

チコ「逆さ言葉にもなれてきましたね。」

ミハイル「?は上父」

「「「……」」」

ミハイル「?たしうどは上父」

ムーン1「はあっ!?殿下何を言ってるんです!」

ムーン2「しっかりしてください。父王さまは殿下の10歳の誕生日の直前にお亡くなりになったでしょう!」

ミハイル「。だ歳9だまはくぼ。るてっ言をになそこちたえまお」

「「おかしい!!」」

ムーン2「おかしけりゃ笑え」

ムーン1「この忙しいときに殿下が振るようなギャグをいうんじゃない!」

チコ「何かがおかしいです。何かが間違ってますよ。」

ムーン1「こういう時はマザーコンピューターにデータを与えて殿下の異変の原因を突き止めるんだ!」

MC【スベテノでーたカラ類推シテ逆転装置ハ殿下ノ生体時間マデ逆転サセテイルト思ワレマス】

ムーン1「えっ」

チコ「ということは?」

MC【殿下ハ若返ッテイルノダ】

ムーン1「そうか成長を逆行しているわけだから……痩せたんじゃない!小さくなったんだ!」

ムーン2「殿下のイタズラは年々パワーアップしている!9歳に戻ったからパワーダウンしたように感じたんだ!」

チコ「このままだとどうなるんです!」

MC【卵子二戻ル】

「「「たいへんだー!」」」

ミハイル「……」

チコ「あっ殿下!」

ムーン1「これこりしかじかでこのままだとえらいことになります!」

ムーン2「逆転装置を停止してください!」

ミハイル「!---だんなせ幸もてと今はくぼ!っーだやい」

そう叫んで逃げ出してしまうミハイル。

ムーン1「マザーコンピューター殿下のこの反応はどういことだ!」

MC【人間ハ年齢トトモニ背負ウモノガ大キクナル。肉体的ニハ衰エヲ感ジ精神的ニハ悩ミヤ辛イコトガ多クナル若返ルトイウコトハソレヲ少シズツ脱ギ捨テラレテイクトイウコトデアリ少シズツ幸福ニナル過程デモアル殿下ハ徐々ニ幸セニナル感覚ヲ感ジテオリソレヲ手放シタクナイノダ】

ムーン1「冗談じゃない!だからって卵子に戻られてたまるか!」

ムーン2「力づくで取り押さえろ!」

飛びついて掴み抱いたがズボッと服だけを脱ぎ捨てて逃げ出してしまう。

ムーン1「くそう服がガバガバだっ!」

ムーン2「一斉にかかれ!」

全員で飛びかかるの相手はミハイルである。人間離れした動きでのらりくらりズルリぬるべっちょりと逃げ出してしまった。
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