ー日常ー街の住人達【6】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

そんなこんなで翌日……

コック「つまみ食いだーーー!」

ミハイル「もがはははっ!」

肉の塊やら食パン一斤などを抱えてミハイルが逆さで逃げていく。

調理係「くそっ!さかさで逃げられると勝手が狂う!」

コック「だけど殿下のつまみ食いも久しぶりだな。」

調理係「そういえば…」

コック「このごろ殿下のいたずらはエスカレートしてたからな。」

調理係「つまみ食いくらいなら、むしろホッとするというか……」

コック「って、ホッとしてる自分たちが情けない。」


さらに翌日……

ミハイルは相変わらず逆さのままです。

チコ「殿下、よくあきませんね」

ミハイル「だんいいが子調」

チコ「はあ?」

装置を切ったらしく一回転して。

ミハイル「装置を使い始めてから身体は軽い詩気分は上々でな」

チコ「さかさで居るのは健康にいいのかしら」

ムーン1「逆立ち健康法?」

チコ「ですが、ホントに逆立ちしてるわけじゃなく、そうみえてるだけですよね。」

ムーン1「ああそうか」

チコ「殿下の気のせいでは?」

ミハイル「ところがギッチョン。なんだか服が緩いような気がするので今朝体重計に乗ってみたら、なんと2キロもやせてたんだ」

ムーン1「今までどんなダイエットをやっても5百グラム以上やせたことのない殿下が!?」

チコ「2キロ!?殿下、もしかしたらものすごく身体にイイ装置を作ったんじゃありませんか!?」

ミハイル「よく言うだろう。天才は忘れたころにツメを隠す。」

チコ「言いませんが」

ミハイル「ッハッハッハ」

また逆さになって笑いながらいってしまった。


さらにさらに二日後……

チコ「……気のせいかもしれませんが」

ムーン1「ん?」

チコ「なんだか殿下が静かじゃないですか?」

ムーン1「やっぱりそう思う?」

チコ「はい、悪戯はあいかわらずなんですけど、なんとなくトーンダウンしているというか」

ムーン1「そうなんだ何が原因なんだろう」

チコ「あれ?」

ムーン2「……」

ムーンのひとりが妙な格好をしている。足を開いて上半身を倒して股の間から向こう側を覗いているのだ。

ムーン1「新手のヨガか?」

ムーン2「君たちもやってみろよ」

ムーン1「やだよ」

ムーン2「いいから!」

ムーン1「なんなんだ」

同じようなポーズになるムーン1。

チコ「私はスカートなので遠慮しときますね。」

ムーン1「ああ……あれ、なんだ殿下を見てたのか、あれ?なんだか違和感を感じる」

ムーン2「その通りださかさで見てる間は気づかなかったが……殿下が縮んできてるんだ」

「「え……」」
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