ー日常ー街の住人達【6】

ー東京:広尾ー

マリア「キャーッ!」

お熊「おマリちゃん閉じた空間から逃げ出すには術をかけてるあいつをやっつけるしかないわ!」

マリア「やっつけるってどうやって!」

お熊「任せて!」

そういうとお熊はおマリの腕を掴んだ。

マリア「……え?」

お熊「てぃっ!」

おマリの身体がクルッと一回転して飛んだ。正確に言うとお熊に投げられたのだ。どこへ?蜘蛛の化け物に向かって。

【ぎしゃあぁぁーー!】

マリア「ひぇっーー!」

八本の足でナイスキッャチされる。そしてそのまま口へと運ばれるおマリ。

お熊「おマリちゃんがやられてるスキに敵の攻撃能力や弱点を探りだす作戦よ!」

マリア「そんなーーっ!!」

頭に食いつかれるっと思った瞬間、首にぶら下げていた梵字のペンダントが発光して、蜘蛛の化け物がひるんでマリアは解放される。

そして発光した一瞬、巨大な蜘蛛の化け物が半透明になってその中に小さな蜘蛛が見えた。

お熊「まあ通販も馬鹿にならないわね!敵の本体はあそこに!!」

ほんの一瞬でも敵の弱点を見つけると針に糸を通すような正確な射撃で「爆裂弾」を発射した。そのまま撃っていても部屋の半分を吹き飛ばしていただろう爆発で完全に化け物を吹き飛ばしたので術は破れ作業員たちも元に戻りました。

おかげで工事再開……したのだが。

お熊「失礼しまーす。」

柳「お見舞いですかな?」

お熊「あら、先生。お世話になっておりますわ。」

柳「ほっほほほっ。なぁに、手術をするほどでもなく皮膚移植が必要ほどの火傷もなし、全身の激しい打ち身だけですからな。あと、1週間も入院すれば退院できるでしょうな。では、お大事に」

お熊「お世話様です。さて、おマリちゃん、具合どう?」

個室のベッドのうえで包帯まみれのマリア。

マリア「どうって……お熊さんもいっぺん至近距離で爆裂弾を破裂させてみてください。どんなダメージを受けるかわかります。」

お熊「それだけ口が聞ければ大丈夫ね。」

マリア「……」

お熊「工事は順調よ。来月にはお店をオープンできるわ。それに今度のことで自信もついたし」

マリア「自信?」

お熊「「悪しきもの」にお守りや通常兵器が通用するのがわかったからもう怖いものなしよ。新手が現れても二人で力を合わせてお店を守っていきましょうね。」

そのたびに、こんなダメージを受けてたら身体が持たない、とものすごく不安になるおマリでした。
92/100ページ
スキ