ー日常ー街の住人達【6】

ー東京:広尾ー

マリア「お熊さん」

お熊「あによ!!」

マリア「本当になにかあるのかもしれませんよ」

お熊「なにかって……なにが」

マリア「ですから、常識では考えられない得体の知れない奴らが住みついてたところですよ?」

お熊「それがなによ。あいつらはあたしが片付けたわ」

マリア「問題はそこです」

お熊「どこよ」

マリア「私、そのギャグは大好きなんですけどね。この場合は少し真面目になってください。」

お熊「私はいつだって大真面目よ。」

マリア「つまりお熊さんに殺されたあいつらの恨みの念というか怨念が残っているのだとしたら」

お熊「怨念!?そんなもんどこにおんねん!!と関西人ならつっこむところよ!あたくしが関西人でなかったことを神に感謝なさるとよろしくってよ!」

マリア「キャラがよく分かりませんが」

お熊「おちょー夫人よ!」

マリア「いや別にそれを確認したいわけでは……とにかく3人行方不明になってるのは事実なんです。この謎をクリアーしない限り作業員は現場に戻りませんし工事も進みませんよ」

お熊「おマリちゃんの考えでは超自然的現象が関わっているかもしれないと?」

マリア「その可能性があるかもしれないといってるんです」

お熊「うーん……怪奇班を頼むしかないかしらね」

マリア「怪奇班というと蒙古斑の仲間ですか!」

お熊「おマリちゃんこそ真面目になったらどうかしら?」

マリア「似た者コンビということで、それで怪奇班ってなんなんです?」

お熊「家政婦は色んな所に派遣されているわ。中には不思議な事件に巻き込まれる人もいて、そんな時、科学では説明できない事件の裏側を分析解明して家政婦をバックアップする協会の特殊部門よ」

マリア「わかったような、わからないような」

「ようするに怪奇な事柄を調査する専門家じゃ」

急に話に割りこんできたのは坊主頭で黒のトレンチコート胸には真っ赤な薔薇の一輪挿しを飾った、変わった装いの男だった。

お熊「あなたは!?」

転太「怪奇班第一調査室首席調査官、山坂転太(やまさかころんだ)」

マリア「(うわー、頼りになるんだかならないんだが)」

お熊「とにかく、この現場なんです。調べてください。」

転太「調べるまでもない。見ればわかる。ふうむ、このあたりには長年にわたり怪異な存在が生息していたと見える。」

お熊「おおさすが!その通り!」
89/100ページ
スキ