ー日常ー街の住人達【6】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

異界の青年「そうはいきません!」

チコ「なぜ?」

異界の青年「ぼくのチップが正常に作動していないことはもう管理局が認識しているはずです!きっと調査に来ます!」

ムーンイの66「大変だ!」

ミハイル「そういえばチップはなぜ作動しなくなったんだろう」

ムーンA22「殿下、落ち着いてる場合では!!」

すると室内に不自然な閃光が瞬き、機械人が現れた。

異界の青年「管理局の役人だ!!」

「「「もう来たーー!」」」

混乱が生じる最中、リリリッと携帯が着信する。

ミハイル「もしもし誰だ!このクソ忙しいときに!」

チコ「出てる場合ですか!」

ミハイル「あ、これはお得意様。ええっ、納期と分量だけじゃなく品質も違う!?SIクラスが混じってた!?くぉら、きさまらーー!!」

ムーンA22「すいませんけど、今はそれどころではーー!!」

迫りくる機械人だったか、ガシャンっと音を立てて倒れてしまう。

「「「え?」」」

機械人【……】

シューシューと煙を吹いて完全に機能が停止していた。

異界の青年「こわれてる」

チコ「いったい……」

ミハイル「携帯?ほかに原因らしいものは思い当たらない。携帯の電波か何かが」

チコ「まさか、ものすごく微弱な電波ですよ」

ミハイル「だよなあ」

異界の青年「デンパってなんです?」

チコ「え?」

ミハイル「君の所にも電気はあるだろう」

異界の青年「デンキ?」

ミハイル「君の世界のエネルギー源は!?」

異界の青年「重力ですよもちろん」

ミハイル「重力と重力波で構成されているテクノロジー!?どんなものか想像もつかんが、もしそうなら電気は未知の因子!電気のパルスである電波は君の世界のテクノロジーに致命的ダメージを与えるのかもしれない!」

ムーンA22「彼が降ってきたとき携帯を使ってました!」

ミハイル「そのとき、チップが壊れたんだ!」

異界の青年「詳しく説明してください!」


~~


ミハイル「本当にひとりで革命を起こすつもりか」

異界の青年「ぼくがやらなければ人間の未来はありません。」

ミハイル「用意したのは軍用の強力無線機だ。電波到達距離は半径50キロメートル、30年もつ特殊電池を装備した。つまり全てのロボットを破棄し人間の心を取り戻すために君に許された時間は30年ということだ」

異界の青年「なんとしても」

話しているうちに再び室内に閃光が走りだした。

チコ「再調査に来たみたいです!」

機械人が侵入しようとした瞬間、無線機のスイッチを入れて機械人を破壊して青年は開いた空間へと飛び込んだ。

異界の青年「いきます!」

「「「頑張れよーー!」」」

一瞬で開いた異界の入り口は閉じてしまって後には静けさが残った。

ミハイル「あんな立派な青年がいるかと思えば、なんだお前たちはトリプルミスなんぞやらかしおって!!」

か、すぐにミハイルの雷が落ちてボッコボコにされるA22号とイの66号。

「「いたたたっ」」

ミハイル「痛みは生きてる証だと思え!」

ムーンA22「その通りだ」

ムーンイの66「彼の世界の人間は痛みを感じることもできないんだ」

チコ「何も思わず何も感じず……ですか」

ムーン1「それに比べて僕たちは花を見て美しいと思えるし音楽を聞いて感動することも人を愛することだってできる。」

ムーンA22「確かに辛いことや苦しいことも多いけどたまにはいいことあるし……」

ムーンイの66「この世界もまんざら悪くないって気がしてきたよ。」
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