ー日常ー街の住人達【6】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

ミハイル「何年ダイヤの仕事をやってるんだ!馬鹿者ーー!」

「「……」」

ミハイル「ギャー!ギャー!ガーー!ガーーー!」

いつものようにミハイルが部下を怒鳴りつけていますが今日は一段と怒気がこもっています。

チコ「何があったんですか?」

ムーン1「0.5キャラのロットの納入日を間違えたらしい」

チコ「あちゃー……殿下が怒るわけですね。」

ミハイル「もういい!僕が直接先方に謝罪してくる!おい、誰か!」

チコ「はいっ!車用意してもらってきます!」

ミハイル「無能な部下は役に立たないだけじゃない!余計な仕事を増やす!」

ミハイルは怒りながら怒鳴りつけた部下を残していってしまった。

ムーン1「二人とも少し外の空気を吸ってこい。」

「「はい」」


~~


ムーンA22「あーあ」

ムーンイの66「やっちゃったなあ。」

ムーンA22「なぜあんな単純ミスをしたのかわからないよ」

ムーンイの66「自分が情けなくなる。」

「おーい、今日の買いだし当番は誰だ!」

ムーンA22「あっ僕たちだ。」

ムーンイの66「今いきます」


慌てて買い出しに出た二人、買ってくるもの決まっているので買い物自体はすぐにおわったが、帰りの進みは良くなかった。

ムーンA22「きっと、しばらく殿下の機嫌が悪いだろうな」

ムーンイの66「荷物は重いし、気は重いし」

ムーンA22「おまけにまた爆弾テロか」

こんな時に限って大根を包んでいる新聞紙の文字が目に入ってくる。

ムーンイの66「病気、交通事故、増税、値上げ。」

ムーンA22「戦争で死んだ数より自殺者の方が多いというんだから」

「「……」」

ムーンイの66「話題を変えよう気分が滅入ってくる。」

ムーンA22「うん」

ムーンイの66「なにか明るい話は無いのか?」

ムーンA22「明るいねぇ……。そうだ。こないだユーフォーキャッチャーでシロクマのぬいぐるみをゲットしたんだ。少しは明るいだろう?」

ムーンイの66「地球温暖化で」

ムーンA22「はっ?」

ムーンイの66「北極に氷が張らなくなり、その影響で餌のアザラシが取れなくなって飢えた雄のシロクマが自分の子供を食べてしまう共食い事件が起きているそうだ。」

ムーンA22「ゲーーッ」

ムーンイの66「なんとも大変な世の中だなぁ」

ムーンA22「生きてるのが嫌になりそうだよ」
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