ー日常ー街の住人達【6】

ー常春の国:エメラダー

ミハイル「クックックッ、ハッハッハッ、クックッハーーッハッハッ!」

ムーン2「殿下は何を読んで笑ってるんだ?」

チコ「アメリカの防衛白書です」

ムーン1「なにがおかしいのか想像するとちょっと不気味じゃないか」

「「「うーむ…」」」

と、日常的な会話がかわされていたその時、グラッと地面が揺れた。

チコ「きゃっ、地震!?」

棚のものが落ちて立っていられないほどの震度が1.2分続くとようやく止まった。

ムーン1「よかった。もう収まってきた」

ムーン2「直下型じゃないからたいした被害は出てないだろう」

チコ「殿下、大丈夫ですか?」

ミハイル「大丈夫だ。日ごろから防災には気を使っているからな。たとえばこのタンスを見ろ。不用意に扉が開かないように鎖でぐるぐる巻きにしたうえ鎖を壁にがっちり止めてある。どんな大地震が来ても絶対倒れないように工夫してあるのだ。ぼくの防災意識の高さが分かったか?」

チコ「でもこれじゃ中の物を取り出せないんじゃないですか」

ミハイル「防災のためにはそれくらい我慢しなきゃ。」

チコ「なんのためにタンスを置いてあるんです」

ミハイル「衣類を出し入れするために決まってるじゃないか」

チコ「でも取り出せないでしょう」

ミハイル「防災のためにはそのぐらいやむえんと言ってるのがわからんか!同じことを何度言わせるんだ!馬鹿者が!」

チコ「私がバカか殿下がバカか!」

ムーン1「まぁまぁ」

ミハイル「タンスがダンスした」

チコ「え?」

ミハイル「突然シャレを思いついたのだ。長生きしたくないやつは笑わなくていいぞ」

「「アハアハハ」」

ミハイル「よーし、お茶がダンスして茶ダンス」

「「ハッハッ」」

ミハイル「ダンスがフラッとしてフラダンス」

「「ハハハハッ」」

ミハイル「ここまで受けると気持ちがいいなぁ」

チコ「おかしくもないのに笑うのがこんなにもつらいとは……」

ムーン1「しっ聞こえたら大変だ」

ミハイル「ではここらでへんでとどめの一発を」

ムーン1「ギャハッハッ」

ミハイル「まだ何も言ってないぞ」

ムーン1「だって殿下がギャグをいうと考えただけで、おかしくておかしくて……ヒーーッ」

ミハイル「泣いているみたいだな。そうかおまえたちそんなに僕のギャグがおかしいか」

「「おかしくて死にそうです」」

ミハイル「よし決めた!ギャグの本を書いて出版して世界に僕のギャグを広めよう!」

ムーン1「おお!それはグッドアイディア!」

チコ「少なくとも本を書いている間はあのつまらないシャレから解放されますね。」

ムーン2「助かった」

ミハイル「書けたらまっ先におまえたちに読ませてやる」

「「「うわーーんっ!」」」
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