ー日常ー街の住人達【6】

ーアメリカ:メイド喫茶ー

雇われ店長「ああっしかし今では他のメイドにまるで指名が入らん!君ひとりでやってくれるともっとも客が増えるんだが!」

マリア「いいですよ」

雇われ店長「ええっ!?」

並の人間には無理でしょうが派遣家政婦としてハードな修羅場をくぐりぬけてきたおマリにとっては……朝飯前!

マリア「こちらコーヒーになります」

「ありがとう」

「写真いいですか?」

マリア「はい、ご主人様」

「おマリ特製ミートボールスパ…」

マリア「はい、お待たせしました。」

「おまじないお願いしまーす」

マリア「おいしくな~~れっ!」

「「「萌えーーー!」」」

オーナー「こうなったら店長も彼女に任せよう!お前はクビ!」

雇われ店長「ひぇー!!」

というわけでおマリはあっというまに店長兼シェフ兼メイドとなり、店名も『メイド喫茶おマリ』と変わってますます大繁盛となった。

さすがにこうなるとひとりではきついので店長の権限でお熊さんをマネージャーとして雇いました。

お熊「整理券をどうぞ」

「並んでるなぁ」

「店に入れるのはいつごろだい?」

お熊「そうねえ。三日後かしら」

「「「ええっ!?」」」


お客さんの中には毎日のように来店するひともいて、ある時そんな常連さんのひとりが……

青年「マネージャーちょっとお話が」

歳は二十代後半といったところだろうか痩せ気味というか頬がこけている。

お熊「えっ、貸し切り?」

青年「できませんか?」

お熊「他のお客様に聞かれるとまずいのでちょっとこちらへ」

青年「はい」

行列から抜けて裏へと移動する。

お熊「つまりお店をひとりで貸切るということですか?」

青年「ええ」

お熊「できなくはないかもしれませんが……でもそうなると他のお客様の払う飲食代や指名料をおひとりで負担することになります。けっこうな金額ですよ?」

青年「それは構いません」

お熊「それに他のお客様に迷惑がかかるからおマリちゃんが嫌がるかも知れないわね。」

青年「これはほんの手付け金」

差し出された封筒は縦においても立つほどの分厚さ。

お熊「$$」

青年「それとは別にこれはマネージャーさんへのチップです」

さらにもう一束分厚い封筒。

お熊「わかりました$お客様のご要望に$可能な限りお答えするのが$当店のモットーです$何とかしましょう$$$$」

青年「ありがとう」
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