ｰアメリカ:屋敷ｰ

そのころ、浴室でお湯を張ったローズはため息交じり湯の温度を確かめようと手をそっと付けた。

ローズ「冷っ……なにこれ!こんなに湯気が上がっているのにまるで井戸の底の水みたいに冷たい!」

袖をまくり、肘の辺りまでつけてかき回してみるもやはり湯は水のように冷えている。そして次の瞬間、湯船の中でなにかに腕を掴まれて引きづり込まれた。

そのとき、大丈夫かと浴室の外でグリーンがドアをノックしようとしたタイミングでローズの悲鳴が聞こえた。

グリーン「ローズ!?」

あわてて中へと入ると浴槽で暴れているローズを引っ張りだした。

ローズ「あっ……あぁ……」

グリーン「ローズどうしたんだしっかりしろ!」

ローズ「マギーよ!あたしを引きづり込もうとしたわ!」

グリーン「おちつけ!ただのお風呂だマギーはいない!いるわけがない!」

ローズ「いたの!本当にいたのよー!!」

落ち着きを取り戻し、服を着替えたローズはベッド中で震えていた。

グリーン「寝るんだ。ずっとそばでいてあげるから。」

椅子にかけてそう語るグリーン。

ローズ「寒いわ」

頭からすっぽりと毛布をかぶっているローズだがガタガタと明らかに震えている。

グリーン「そういわれるとなんだか背筋が…なぜこんなに寒いんだろう」

っと、何気なく視線を変えた先にはメイド服の女性が立っていた。


～～


そのころ開かずの金庫を前にミハイルが腹を立てていた。

ミハイル「あーっ頭に来る!」

力任せにガチャガチャとハンドルを下ろそうとするが、当然鍵のかかった金庫はあくことがない。

チコ「組子式(くみこしき)でもないし隠し扉もい。いったいどうやって開けるんでしょうね……。」

思いつく限りの色々な手を試してみたがまったく開く気配がなく、手をこまねいているとバタバタと走ってくる足音と叫び声が聞こえて来た。

ローズ「イヤァァァーッ!」

グリーン「ローズ!」

チコ「なに?!」

ドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきたのはローズとグリーンだった。

ローズ「マギーが来るわ!」

チコ「マギーって……行方不明になったメイドさん?」

こっちの言葉など耳に入っていないのかパニクった様子で早口に叫んでいる。

ローズ「殺しに来るのよあたしたちがマギーを殺したから!」

「「「えっ!?」」」

弁護士「なっ!?」