ー日常ー街の住人達【6】

ーアメリカ:屋敷ー

弁護士「わからないかなあ。きのうたまたま首都で世界名探偵友の会の年次総会があって、そこでたまたまお会いしたので今度のことで手伝いをお願いしたのだよ。」

グリーン「今度のことって?」

弁護士「……説明して無かった?」

グリーン「全然」

弁護士「…………たはっ!」

ミハイル「トンカチ」

チコ「どうぞ」

スコン!スコンッ!ごぉん!
弁護士「つ、つまり、おばあ様が遺言状をおさめた金庫があるのだがダイヤルも鍵穴もなくて開け方が分からない。そこで得意の推理で扉を開けていただこうと来ていただいたのだ」

ローズ「まあそのためにわざわざ?それでは大切なお客様ではありませんか、たいへん失礼しました」

ミハイル「わかればいいんだ、わかれば」

チコ「そんなえらそうに……」

ミハイル「さっそく金庫を拝見する前に重大なことがあります」

グリーン「なんですか?」

ミハイル「食事はまだでしょうか?」

グリーン「執事!」

すぐに食事の用意がされたのだが。

弁護士「おいおい賓客がみえてるのにチーズとコールドチキンだけかね?」

執事「料理は不調法でして」

執事は愛想のいバトラーと食事の質の悪さに不機嫌になっていないかとミハイルを見た。

ミハイル「バクバク、ガッガッ」

チコ「殿下は食べられればなんでもいいんです。ときどき食べられないモノも食べますから」

ムーン1「一輪車とか」

弁護士「一輪車?しかし、昔は料理のうまいメイドがいたものだが」

グリーン「……」
ローズ「……」

ミハイル「むっ?」

ミハイルは一瞬、妙な空気を感じた。

弁護士「なんといったかね。あの行方不明になったメイドは」

グリーン「マギー」

チコ「行方不明とはおだやかじゃありませんね」

弁護士「不思議なんだある日突然に」

グリーン「よしましょう10年以上も前の話ですよ」

するとハラッとグリーンの目の前に何かが舞った。テーブルに目を落とすと木の葉が一枚。

どこからと視線をあげると何かに吊るされような女性の足が見えた。思わず手に持っていたフォークを落としてしまう。

ガチャンという音の元、グリーンへ皆の視線が集まる。

弁護士「どうしたのかね?」

グリーン「い、いえ!別に!」

視線をもう一度あげてみるも天井にはなにもぶら下がってはいない。

ミハイル「?」

ミハイルだけはグリーンの視線を追って天井を見たがとくに変なものは見えなかった。
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