ー日常ー街の住人達【6】

ーアメリカ:安ホテルー

さんざん呻き……鳴き合っ…………泣き合って落ち着いたらしく、ようやく説明してくれることになった。

お熊「話せば長いことだけど、でも説明しないと分からないから話すわね」

マリア「お願いします」

お熊「おマリちゃんあなたはきっとあたしが日本人離れした彫の深い顔立ちなのを不思議に思ってたでしょう」

マリア「日本人ていうか人間離……いえ、はい」

お熊「あたしは本当は日本人じゃないの。スリバキヤの生まれなの。」

マリア「スリバキヤというと、あの内戦の続いている?」

お熊「そう。長く続いた戦乱で家族は散り散り、あたしと妹はそれでも何とか生き延びたのだけれど、ある日、目の前で大規模な爆発が起きて……」

マリア「目の前でって……」

お熊「それで別れ別れになってしまったの。あしは幸い国連軍に助けられてそのご紆余曲折をへて日本のある家庭に引き取られ養子となり日本人として生活するようになったのだけれど」

タマナーニャ「あたしも似たようなものね。ただあたしを引き取ったのがさる国の情報局関係者でその影響であたしもフリーの情報員になったのよ。」

マリア「お二人は互いを探さなかったんですか?」

お熊「とんでもない、ずいぶん探したのよ」

タマナーニャ「あたしだって、でもどうして今日になるまで会えなかったのかしら」

お熊「ずーーっと会えなかったのにひょんなことから再開できた……これはハッキリした理由があるわ」

マリア「どんな?」

お熊「運命のイタズラよ」

マリア「えーー……っと、ちょっと待ってください。そうするとトイレですれ違ったのは完全に偶然だったんですか」

お熊「そうね」

マリア「お熊さんはトイレになにしに行ったんです」

お熊「だから用足しよ、うちでおトイレすると水道代がかかるでしょ」

マリア「さよけ」

タマナーニャ「さてと、そろそろ行かなくちゃ」

お熊「え……!?やっと会えたのに何を言ってるの!一緒に暮らしましょう!」

タマナーニャ「だめよ。あたしには敵が多いからきっと迷惑をかけるわ」

するとドアが蹴破られ、例の特殊軍隊(?)達がなだれ込んできた。

軍服A「ILX見つけたぞ!」

タマナーニャ「ほらね」

軍服B「あっエクセルが二人いる!」

タマナーニャ「これは双子の姉よ。姉は一般市民だから手出ししないで!」

マリア「一般……?」
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