ー日常ー街の住人達【6】

ーアメリカ:ホテルー

お熊さんは近くのホテルのトイレに入った。

マリア「いつも思うんだけど女性用トイレに入って大丈夫なのかしら」

お熊(?)「……」

数分後、出てきたお熊はさっきの格好とは違っている。

マリア「やっぱり!トイレで着替えたんだ。今日こそお熊さんの本当の姿を見極めてやる」

っと、思った矢先、ホテルから出た瞬間、お熊さんは数名の男たちに追われだした。

「いたぞ!」
「逃がすな!」

マリア「また追われてる!ロシアか伯爵の仲間か!」

お熊が逃げ込んだ先は行き止まりだった。

「I・XL観念しろ!」

「反逆の罪を犯すものに明日は無い!」

「総統の名において処刑する!」

見たことない軍服(?)姿の男たちは爪のよな武器をお熊へとむける。

マリア「(別口!?いったいどれだけ敵がいるの!)」

お熊(?)「……」

じりじりと距離を詰められるお熊。

マリア「(いけない!いくらお熊さんがK1ファイターを殴り殺したこともある凄腕でも多勢に無勢!)すーっ……君たちは包囲されている!」

「なにっ!!」

生まれた一瞬の隙、お熊さんは巨体に似つかない超スピードで軍人らしき奴らをブッ倒した。

お熊(?)「またあなた!これで2度目ねなぜあたしを助けてくれるの!」

マリア「本当のことが知りたいんです!お熊さん!」

お熊(?)「クマナーニャを知っているの!!」

マリア「くまなー……え?」

タマナーニャ「あたしはタマーニャ!クマナーニャは生き別れになった双子の姉よ!」

マリア「……いやいやいや、いうにことかいてよくもそんな口から出まかせを!」

タマナーニャ「本当のことよ!」

頭に来たマリアはタマナーニャを掴んで借りている安ホテルまで走りドアを叩き開けた。

マリア「さあこの部屋です!用足しにいったお熊さんが帰ってるものかいないものか!」

お熊「お帰り」

マリア「きゃーーー!」

お熊「なによいきなり悲鳴なんか上げて」

マリア「なんだこれっ!!」

タマナーニャ「おクマ!」

お熊「おタマあなたなの!」

巨体の二人ががっぷり合いの抱擁、下手な相撲なんかよりも迫力がある。

「「会いたかったーーー!」」

ワアァァァっと咆哮、慟哭……。

マリア「なっ、なにがなにやら……」
55/100ページ
スキ