ー日常ー街の住人達【6】

ーアメリカ:レストランー

ある夜のこと、おマリは1人の紳士のお相手をしていました。

もちろん、いくらかせしめるためです。

マリア「(さあて、どうやってお金をまきあげようかしら)」

と、考えていると、視線の先にひときわ目立つ巨体な男……女性。

お熊(?)「……」

マリア「(お熊さん!?こんなところでなにしてるのかしら、ウィッグなんてつけちゃってるし……)」

お熊(?)「!!」

お熊さんは何かに気付いたのかキッとどこかを睨むと席をたってレストランから出ていった。

その後を追うように数人の男たちが何か分からない言葉を喋りながら一斉に出ていった。

マリア「なあに?」

何事かと思った瞬間、パンパンッと響き渡る銃声。

「銃声だ!」
「キャー!」
「隠れろ!」

騒然とするレストラン。お相手の紳士もテーブルの下に隠れたが、マリアはテーブルの上の財布からお札を抜いて駆けだした。

マリア「別に盗んだわけじゃないですよ。お相手をした報酬をいただいただけですからね、立派な商売です。ホッホッ、それよりも乱入した男たちロシア語を叫んでたみたいだけどお熊さんまたCIAの仕事でも引き受けたのかな。」

拠点にしている安ホテルへと戻ってみたがお熊さんはまだ帰っていない。

仕事が長引いているのかと思っていると……。

お熊「あら、お帰りなさい。」

帰ってきたお熊さんはさっきの格好とは違い普段着で買い物袋を持っている。

マリア「あっ」

お熊「最近野菜が高くて嫌になっちゃうわ。」

マリア「なにをしてたんです?」

お熊「食糧の買いだしよ。見ればわかるでしょう。」

マリア「CIAは?」

お熊「えっ、なんのこと?」

マリア「いえ…」

別人?それとも他人の空似かな、いやでも瓜二つだった。あんなにそっくりな化け……人間がいるものなのだろうか。

でも考えてみればお熊さんが引き受けた仕事を私に内緒にする理由もないし……う~ん?


そんなことがあって次の日……

おマリは別の紳士の相手をしています。

「それでねぇ」

マリア「まぁ、ほほほっ」

談笑をしながら食事へ向かっていると人ごみの中にひときわ目立つ背中を見つけた。

「どうかしのかい?」

マリア「あれは!ごめんなさい急用を思い出したわ!」

「そんな……。仕方ない、でもまた会ってくれるかい?実は君に似合いそうなダイヤのネックレスを見つけたんだが」

マリア「ネックレスだけ郵送してちょうだい!それじゃあ!」

「ああ、イイ……。」
53/100ページ
スキ