ー日常ー街の住人達【6】

ーニューヨーク:豪邸ー

おばあさま「願い通り……お嬢さん」

チコ「はい」

おばあさま「これがささやかな幸せですか?」

ミハイル「!!」
チコ「!!」

おばあさま「自分の事ながら絵に描いたようなシンデレラストーリーではありませんか、私が望み魔神が約束したのは本当にこういう生活だったのでしょうか……こわいのです!いつか魔神がすべて奪い去っていくのではないかと!富などはどうでもいい大切な家族を失い希望を失くしたわたくしの前に魔神が現れて!!」

~~

魔神『小さなアパートで独り暮らしか、とりあえず健康だし膝の上には可愛い猫もいる、世間一般の常識でいえばささやかに幸せな生活だ。今までの事はサービスだ楽しい夢を見せてやったのだからありがたく思え!ハハハハハッ!』

~~

おばあさま「最初から独りぼっちならそれでもよかったのです!でも今そんなことになったら私は……!」

チコ「それでいつも怯えたような目をしていらしたのですね。殿下……殿下?」

既にミハイルは駆けだして例のビンを掴んでいた。

ミハイル「魔神に直談判してやるーー!」

おばあさま「無駄です。それは私も考えましたがフタを開けることもビンを壊すこともできませんでした工場で数万トンの圧力を加えてもビクともしなかったのです。」

ミハイル「はぁはぁ、ということは……中から魔力でガードしてるのか千年に一度その魔力を弱めて誰かに開けてもらうんだな。とすると千年という時間を計測してることになるが……時計か、魔神に時計なんて概念があるだろうか」

チコ「空の見える場所に置けといったんですよね。」

ミハイル「昼と夜の勘定してるのか…?」

チコ「千年間毎日?」

ミハイル「めんどくさいし、もし極地帯だったら白夜で勘定がわやくちゃになるな、そーすると……天文学に関する本はありませんか!」

おばあさま「書庫にあると思うけど」

ミハイル「よしっ!チコ、ついてこい!」

チコ「は、はい!」

書庫へと駆けると、ミハイルは普段はイタズラと嫌がらせとおちょくりと金儲けにしか使わない脳みそをフル回転させながら次々に天文学に関する本を読み漁った。

ミハイル「よーしこれだ!」

チコ「なにかわかりましか」

ミハイル「すこし道具が必要だ。ガムテープにカーテン、それと針だ。どこからでもいいからかき集めておばあちゃんの部屋に戻るぞ!」

チコ「わかりました!」
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