ー日常ー街の住人達

ー小鳥遊邸:玄関前ー

京「……」

神姫「なにもじもじしてるのよ」

京「いや、その……悠兄ちゃんに会うの久しぶりで」

神姫「乙女か……あ、乙女だったわ。」

京「?」

神姫「いい?何度もいってるけど京が遠慮することは爪の先ほども無いの」

京「うん……」

神姫「……っていうか、いつも威勢がいいじゃない」

京「それは勢いだ!」

神姫「ある意味、潔いわね。」

楓子「おや、神姫殿にがりゅー殿どうされましたかやよ?」

神姫「ちょうど良かったわ。すっとこどこいが沢山豆を収穫したから取りに来いって連絡してきたのよ」

楓子「なるほど、師匠でしたら庭の方に居られますやよ。」

神姫「そう。……わたしが言っといて何なんだけどすっとこどっこいって言っても怒らないのね。」

楓子「師匠曰く、ツンデレという属性をお持ちの方はツンケンした言い方をするもんだと聞いておりますやよ」

神姫「誰がツンデレだ!」

ゴッ!
楓子「あぐっ……さ、さすがは神姫殿、殴られてからようやく反応できましたやよ」

神姫「はぁ……なんか話してると疲れるわ」

楓子「お疲れのようでしたらこれなんかいかがですかやよ」

神姫「なに?水筒?」

楓子「はいですやよ。中身は駒狸さん特製滋養強壮ジュースですやよ」

神姫「飲まないから出すな。」

楓子「そうですかやよ。」

神姫「……ちなみに何色?」

楓子「エメラルドグリーンですやよ」

神姫「この世にエメラルドグリーンカラーで口に入れていいものは多分ないわよ……」

楓子「この前は真っ青なジュースが出てきましたやよ」

神姫「いまどき駄菓子やでも置いてなさそうなカラーバリエーションね……」

楓子「でも、飲んだ後はめちゃくちゃ体調がいいんですよやよ」

神姫「危ない薬な気もするんだけどソレ……」

楓子「しかし、駒狸さん曰く天然素材の無添加無香料といってましたやよ」

神姫「……まぁいいわ、悠は庭に居るのね」

楓子「ええ、居らっしゃいますやよ」




ー小鳥遊邸:庭ー

悠「あちぃ…」

パチッパチパチ……

京「こんにちわ!」

悠「ん?おー、がりゅー来たか」

京「うん。神姫姉もいるぞ!」

神姫「この暑いのになに焚火してるのよ」

悠「いや、落ち葉とか雑草を乾かしたものを焼いてるんだよ」

京「けど、悠。」

悠「うん?」

京「あれはなんだ?」

後楽「……」
ぐったり

悠「あぁ、との財布から金を盗っていたから張りつけにしていぶしてるクソ狸だ」

神姫「燻製にしてもまずそうね」

悠「しかし、これは失敗だったわ。おれも超暑いし……」

京「そういえば凄い汗だくだ」

悠「火も落ち着いてきたし、休憩して冷たいのでも飲むか。」

神姫「その水筒……なかみはエメラルドグリーンのジュース?」

悠「まさか、日本酒だ」

神姫「そんなものを常備するな」
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