ー日常ー街の住人達【6】
ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー
年中(国王が仕事をしないので)大忙しのムーン隊。今日も右へ左へとてんてこ舞いの中、ひとりのムーンがデスクに座ったまま動こうとしない。
ムーン50「はぁ…ふぅ……」
ムーン1「どうした」
ムーン50「気分が悪い」
見れば確かに顔色が悪い。
ムーン1「大丈夫か医務室で休んだらどうだ」
ムーン50「いや…普通の体調の悪さじゃない。息苦しくて心臓がバクバクして冷や汗が出ておまけに……」
ムーン1「おまけに?」
ムーン50「頭の中で誰かがしゃべってる…」
バタバタと動き回っていた他のムーンたちも動きを止めた。
「「「はあ?」」」
ムーン50「まるで他人の意識が紛れ込んでるみたいに色々なイメージが浮かんでは消えて……自分の頭じゃないような……こんな気分は初めてだ」
「「「ええっ!?」」」
ミハイル「ん?」
ムーン50「なにかにとり憑かれてるのかみしれない。」
ムーン1「なんだって!?」
普通なら笑うかもしれないが、この国では十分にあり得る。
チコ「どうされたんですか?」
ミハイル「サボってるなら叩きのめして給料カットだぞ」
トゲ付きの棍棒を振りかざす。
チコ「どっから出したんですか。」
ミハイル「そんな細かいことを気にするな。」
ムーン1「殿下!実はこれこれしかじかで!」
ミハイル「ふーん。水を飲ませろ」
ムーン1「水ですか?」
ミハイル「塩をひとつまみ入れてな。おい、用意してやれ。」
チコ「わかりました。」
ムーン1「塩水で清めるのかな?」
ムーン2「さあ」
チコ「できました。」
ジョッキにはいった水をさしだす。
ミハイル「飲め」
ムーン50「ゴクッ」
一口すする。
ミハイル「もっとだ。」
ムーン50「ガブガブゴブゴブ……ふうっ、あれなんだか楽になった。」
ムーン1「塩水のおかげで取り憑いたものがはがれたんですか!?」
ミハイル「アホ、ただの熱中症だ」
「「「……は?」」」
ミハイル「明らかに熱中症の症状だ。室内でも熱中症になるんだ。」
「「「え~っ?」」」
チコ「水分と塩分を補給したから体調が戻ったんですね。」
ミハイル「そういうことだ。スピリチュアルを否定するつもりはもちろんないが、しかしなんでもスピリチュアルに結びつけて考えないほうがいいぞ。」
「「「はぁ…」」」
年中(国王が仕事をしないので)大忙しのムーン隊。今日も右へ左へとてんてこ舞いの中、ひとりのムーンがデスクに座ったまま動こうとしない。
ムーン50「はぁ…ふぅ……」
ムーン1「どうした」
ムーン50「気分が悪い」
見れば確かに顔色が悪い。
ムーン1「大丈夫か医務室で休んだらどうだ」
ムーン50「いや…普通の体調の悪さじゃない。息苦しくて心臓がバクバクして冷や汗が出ておまけに……」
ムーン1「おまけに?」
ムーン50「頭の中で誰かがしゃべってる…」
バタバタと動き回っていた他のムーンたちも動きを止めた。
「「「はあ?」」」
ムーン50「まるで他人の意識が紛れ込んでるみたいに色々なイメージが浮かんでは消えて……自分の頭じゃないような……こんな気分は初めてだ」
「「「ええっ!?」」」
ミハイル「ん?」
ムーン50「なにかにとり憑かれてるのかみしれない。」
ムーン1「なんだって!?」
普通なら笑うかもしれないが、この国では十分にあり得る。
チコ「どうされたんですか?」
ミハイル「サボってるなら叩きのめして給料カットだぞ」
トゲ付きの棍棒を振りかざす。
チコ「どっから出したんですか。」
ミハイル「そんな細かいことを気にするな。」
ムーン1「殿下!実はこれこれしかじかで!」
ミハイル「ふーん。水を飲ませろ」
ムーン1「水ですか?」
ミハイル「塩をひとつまみ入れてな。おい、用意してやれ。」
チコ「わかりました。」
ムーン1「塩水で清めるのかな?」
ムーン2「さあ」
チコ「できました。」
ジョッキにはいった水をさしだす。
ミハイル「飲め」
ムーン50「ゴクッ」
一口すする。
ミハイル「もっとだ。」
ムーン50「ガブガブゴブゴブ……ふうっ、あれなんだか楽になった。」
ムーン1「塩水のおかげで取り憑いたものがはがれたんですか!?」
ミハイル「アホ、ただの熱中症だ」
「「「……は?」」」
ミハイル「明らかに熱中症の症状だ。室内でも熱中症になるんだ。」
「「「え~っ?」」」
チコ「水分と塩分を補給したから体調が戻ったんですね。」
ミハイル「そういうことだ。スピリチュアルを否定するつもりはもちろんないが、しかしなんでもスピリチュアルに結びつけて考えないほうがいいぞ。」
「「「はぁ…」」」