ー日常ー街の住人達【6】

ーエメラダ:宮殿ー

ムーン1「なぜ大量に買い込んでおかない!」

ムーン2「貝柱が大量に必要になるシチュエーションなんか想定できるか普通!!」

チコ「なんとかしないとマズいですね」

ミハイル「がるるるっ!」

目の形が$マークになって唸っている姿は金の亡者そのものだ。

ムーン1「柱でありさえすれば何でもいいみたいだから……そうだ!服を脱げ!」

ムーン2「えっ?!」

ムーン1「あと釜と縄と柱とたきぎ持ってきて!」

チコ「は、はぁ……」

人間を柱に縛り付けて釜にいれてたきぎを焚いてゆでる。

ムーン1「人柱だ!!」

ムーン2「ぎゃーっ!」

ムーン1「さあ人柱のエキスが溶け込んだスープをどうぞ!」

ミハイル「ズズッ」

ムーン2「あちあち!!」

チコ「うわぁ……」

地獄の鬼もドン引きの地獄絵図…。

ミハイル「元気百倍!おかわりを用意しておけ!」

ムーン1「頑張ってエキスを出せ!」

ムーン2「…………」

チコ「ゆでられ過ぎて出がらしみたいになってます。」

ムーン1「くそう!どうしよう、柱、柱……そうだ!」

ミハイル「おかわりはできてるかー!」

ムーン1「はい!京都の老舗旅館から取り寄せた近藤勇が切り付けたという刀傷のある床柱!!」

ミハイル「なんだと!!」

ムーン1「由緒正しい柱ですからきっとご利益がある筈です!」

ミハイル「ずぞぞっ」

チコ「よく飲めますね…」

ミハイル「ぷはーっ、今宵の虎鉄は血に飢えているー!」

ムーン1「よし!このバージョンは使える!」

チコ「はぁ……」

ミハイル「おかわり!」

ムーン1「京都東福寺から取り寄せた七百年前の柱!」

ミハイル「つぎ!」

ムーン1「奈良法隆寺のもっと古い柱!」

ミハイル「うおおおおっ!」

チコ「よくそんなものが手に入りましたね。」

ムーン1「お金にモノを言わせればできないことはない。くっくっく」

ミハイル「はっはっは、商談ことごとく成立ー!大儲けだー!」

っと、このときは喜んでいたのですが、あとで計算するとたいへんな赤字だった。

ムーンがお金に糸目をつけずに柱を買い集めたせいである。

チコ「そりゃそうですよね。」

ムーン2「それで殿下と1号は?」

チコ「二人なら……」


~~


ミハイル「貴様を人柱にしてやる!!」

ムーン1「そんなぁーーー!!」
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