ｰエメラダ:宮殿ｰ

ミハイル「決着－－－!長年もめていたP国銀行との問題が無事解決したぞー!」

チコ「ここまでくると偶然とは思えませんね。」

ミハイル「この調子で新しい顧客の開拓に乗り出そう!おかわり!」

ムーン1「はいっ!」

運ばれてきた湯のみの中には茶柱のみがつまっていた。

ミハイル「えっ?」

チコ「いやいや…」

ミハイル「茶柱がぎっしりつまってるーーー嬉しいけど飲めないーー!!」

チコ「嬉しいんですか…」

どうするのかと思ったらミハイルは湯呑を口に放り込んでばりぼりと噛み砕いて飲み込んだ。

ミハイル「いくぞーー!」

チコ「えぇっ…」

ムーン1「まぁ、殿下だからね。食べ物じゃなくても食べるよ。」

ミハイル「商談成立ー!おかわりー!」

ムーン1「はいはい……あれ?」

チコ「どうかしました?」

ムーン1「どうしようお茶っぱがなくなった。」

チコ「あら……」

ミハイル「早くしろーー!勢いに水をさすまねをすると目玉に指をさすぞーーー!」

「「キャーー!!」」

ミハイル「いそげぇぇっ!」

ムーン1「ダメだ買いに行く暇もない!なにか代わりになりそうなものはないか!」

ムーン2「貝柱の缶詰ならあるけど」

チコ「なんでそんなものが…」

ミハイル「はやくせんかぁっ!」

ムーン1「やむをえんお湯に貝柱を入れて……殿下どうぞ」

ミハイル「今度の茶柱はやけに太いな」

ムーン1「特別製です」

ミハイル「ごくっ、くちゃくちゃ……美味いじゃないか」

ムーン1「ですから特別製です」

ミハイル「美味いから縁起がいいー!!」

チコ「既にお茶でも何でもないんですけどいってしまいましたね。」

ミハイル「交渉成立だぁーー!」

チコ「えええっ…」

ムーン2「茶柱ならわかるが貝柱が縁起がイイなんて聞いたことないぞ!」

ムーン1「きっと殿下の思い込みみせいだ!縁起がいいと思いこんでるから商談の場で実力以上の力を発揮してるんじゃないか!」

ミハイル「おかわり!!」

チコ「って、いってますけど……」

ムーン1「ええい!こうなりゃやけだ!」

どんぶりいっぱいのお湯に貝柱を振りまいた。

ミハイル「がぶがぶ……うーむ噛みしめるほどに味が出るほんとに茶柱か」

チコ「あの、貝柱…」

ミハイル「なんでもいい!!」

チコ「なんでもいいって……」

ミハイル「またまた成功!柱と名のつくものは縁起がいいぞー!おかわりー!」

チコ「おかわりだそうです」

ムーン2「もう貝柱ないぞ」