ー日常ー街の住人達【6】

ー病院:廊下ー

「なんてことだ……この大事な時期に!すぐマスコミがかぎつけてくる!ドクター市長は自由体で面会謝絶ということに!」

医者「は…はい!」

「あなた方は旅行者ですか?」

お熊「ええまあ」

「この市(シティー)はいいところです。ぜひしばらく滞在してください。もちろん滞在中の食費宿泊費は市庁がもちます。秘書官、お二人をご案内してホテルでお世話を」

秘書官「はい」

ということで、ホテルまで移動することになったのだが、同中の車内で……。

マリア「よーするに」

お熊「ホテルで軟禁ということですか」

秘書官「申し訳ありません。市(シティー)は長い間、暗黒街の顔役に牛耳られてきました。市議会も彼らの言いなりで逆らうものは政治的にあるいは文字通り葬られてきたのです。」

お熊「ギャング全盛期のシカゴみたいなもの?」

秘書官「そうです。でもそこに彼がショーンが現れました。軍人上がりの正義感の強い彼は暗黒街を叩き潰し議会を清浄化することを公約に市長選に立候補して見事に当選したのです。」

お熊「きっとたいへんな妨害があったんでしょうね。」

秘書官「それはもう。選挙運動中に運動員が13名なくなりました。でも暗黒街の息のかかった警察によってすべて事故死で片付けられました。このシティーを変えられるのはショーンだけです。その彼が記憶喪失で職務を遂行できなくなると……。」

お熊「議会によってリコールされる可能性がある。」

秘書官「記憶の混乱が一時的であることを望むばかりです。少なくとも治療のためには時間が必要です。」

お熊「それには記憶喪失がバレちゃいけない。」

マリア「あたしたちはしゃべりません」

お熊「っといっても、旅行者を信用できないわけね」

秘書官「すみません。」

そして連れてこられたホテルは素直に高級なホテルだった。

マリア「スィートですね。」

秘書官「当分ここで過ごしていただきます。必要なものがあれば何でも用意します」

お熊「ひとつだけ、市長さんは結婚してらっしゃるの?」

秘書官「ええ、美しい奥様とお子様が3人」

お熊「そう、わかったわ。」

秘書官「では、あたしはとなりの部屋におります。」

マリア「おかしなことになりましたね。タダで泊まれて飲み食いできるんだから見張り付きぐらいは我慢しますけど。」

お熊「ショーンとこんなところで再開するなんて……」
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