ー日常ー街の住人達【6】

ーアメリカ某所ー

翌日、とにかくこの場でサバイバルしているわけにもいかないのでヒッチハイクを始めたわけだが、すでに目の前を何台もの車が走り去っていく。

マリア「止まってくれませんね。」

お熊「おかしいわねぇ。殿方の目につくようにわざわざスカートに着替えたのに。」

マリア「むしろそれが原因では?」

お熊「えっ?」

マリア「いえ…」

お熊「しょうがない女の武器を使うしかないか。」

そういうとお熊さんはスカートのすそを掴んで太ももの辺りまでめくりあげた。猛牛でも仕留められそうな剛脚が披露される。

すると通りかかった車は猛スピードを駆け抜けた。

マリア「スピードをあげましたよ」

お熊「まだお色気が足りなかったのかしら。えいっ!大サービス!」

ついにはガバッとたくし上げた……がっ!!

マリア「お熊さんパンツはいてない!!」

お熊「あ、昨夜洗って干したままだったわ!」

すると、運悪く化物の化け物を見てしまった一台の車がど派手にクラッシュしてしまう。

マリア「あーあ……」

お熊「たいへん!救急車をよばないと!!」


~~


携帯電話も持っていなかったので、事故をした人の携帯を借りて連絡後すぐに救急車が到着し第一発見者(事故の原因)として一緒に病院まで付き添った。

「市長の車が事故だって!?事故Lの原因は!市長の容体は!」

マリア「市長さんだったんですね。」

お熊「みたいね。」

医師「大丈夫です。標識にぶつかって車は大破しましたが市長はかすり傷で他にけが人はいません。」

「助かった。ひとでもはねたら取り返しがつかないところだ。」

医師「こちら第一発見者の方たちです」

「事故の原因は!?」

お熊「さぁ……見当もつきませんわ。」

「そうですか……。なんにしてもありがとうございました。」

お熊「ひそひそ(美女に見とれて運転を誤ったなんて市長さんの名誉にかかわるものね。)」

マリア「いい方に回りますね。」

看護師「あっ、市長。急に起きては!」

という声が病室から聞こえたので中をのぞいてみると、頭に包帯を巻いた中高年の男性が包帯の巻かれた頭を押さえながら言った。

市長「市長?わたしが?名前も思い出せない、頭が痛い……」

「記憶喪失!?」

お熊「記憶喪失?ショーン!!」

お熊さんは市長さんの顔を見ると名前を言ったがなぜかとっさに自分の口をふさいで病室から出ていった。マリアは気にはなったが一緒に廊下へと出た。
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