ー日常ー街の住人達【6】

ー居酒屋:三日月ー

ガララッ

凛「あ、ごめんなさい。お昼はもう終わりなんです。」

悠「どうも」

凛「あらっ悠くんだったの。どうぞ、座って。」

悠「ああ、いいっすよ。今日はこれを渡しにきただけっすから。」
スッ
凛「あら、なぁに?」

白巳「すぅすぅ」

悠「あ、間違えた。こっちだった。」
スッ

凛「わっ、菜の花ね。」

悠「ええ、うちで取れたものですけど良かったらどうぞ。」

凛「悠くんがつくったの?」

悠「モロチ……もちろん」

凛「凄いわねえ。でも、こんなに立派なのをたくさんイイの?」

悠「いいっすよ。畑一面に菜の花植えたからそれでも全然減らないっすから。」

凛「そんなに作ったの?!」

悠「はい。でも、なんでこんなことになったのかは分からないです。」

凛「……え?」

悠「気がついたら一面に植えていた。ノウカーズハイってやつです。」

凛「ランナーズハイ?」

悠「ノウカーズハイってやつだ!WRYYYYY!」

凛「そういうのもあるのね。」

悠「……あります!」

恵瑠「ツッコミ不在って怖い」

悠「誰だ!」

恵瑠「わたしですよ!アナタのアイドルカエルちゃん!!」

悠「……」
きょろきょろ

恵瑠「キョロキョロしない!」

悠「さっきまでいなかったよな?」

恵瑠「ちょっと椅子を見にいってたんです」

悠「椅子?拷問椅子?」

恵瑠「なんでやねん。」

凛「お店の椅子がちょっと調子悪くてね。取り替えようかと思ってるの。」

悠「調子が悪い?」

恵瑠「これとかちょっとグラグラしてて」

悠「奥歯?」

恵瑠「椅子!!」

悠「冗談だ。どれどれ。ふむっ。」
ぎっぎっ!バチィッ!

恵瑠「ちょっ、壊した?!」

悠「分解したんだよ。これか……工具と釘ある?」

凛「ええと、簡単なものなら。」
スッ
【工具セット】

悠「十分、十分」
ガチャガチャ

凛「直せるの?」

悠「このぐらい簡単ですよ。はい、できた。ついでに他のもみとくか。」

凛「あらあら、ごめんなさいね。」

悠「いいよぉー」

恵瑠「なんか手伝いましょうか!」

悠「じゃあ、ひとつ頼みたいことがある。」

恵瑠「なんです?」

悠「ちょっとヤンマガ買ってきて」

恵瑠「パシリっ!アイドルをパシリ?!」

悠「手伝うっていったじゃん」

恵瑠「椅子直すのとヤンマガの関係はないですよね!!」

悠「ないよ」

恵瑠「わあぉっ!」
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