ー日常ー街の住人達【6】

ー常春の国:エメラダ宮殿ー

ミハイル「楽してお金を儲ける方法ないかなぁ。」

と、ミハイルが牧歌的な考えに浸っていた時。

「「「殿下っ!!」」」

ミハイル「なんなんだ!びっくりするじゃないか!」

ムーン1「つまらないイタズラはやめてください!」

ミハイル「最近イタズラなんかやってないぞ。」

ムーン1「ウソおっしゃい!みんな困ってるんです!」

ミハイル「ええい、なにがあったっていうんだ!」

チコ「出るんですよ。」

ミハイル「なにが」

チコ「トイレの花子さん」

ミハイル「トイレの花子さん!?……小学生みたいなことを言ってるな。何がどうしたというんだ。」

ムーン1「えっ、本当にご存じないので?」

ミハイル「トイレの花子さんも肥溜めの太郎君も知らん。」

ムーン1「それじゃあれはいったい…」

チコ「ご承知の通りわたしたちは早番、遅番の二交代制で働いています。」

ミハイル「うむ」

遅番の時、真夜中にトイレに行きドアをノックすると『入ってます』と返事が返ってくるという。

変だな、みんな揃って食堂で夜食を食べていてトイレには誰も来ていないはずなのに……。鍵は掛かっていないと、中をのぞいてみたが……誰もいなかった。

誰もいない、それじやあ今の声は空耳だったのか、それにしてははっきり聞こえたが……気味が悪くなって、食堂に帰ろうとすると。

『また来てね』

ムーン1「そんなことが続いて夜中にトイレに行けなくなってしまったんです。」

ムーン2「仕方ないからオマルを用意したり紙おむつを当てたり」

ミハイル「どっちもやめろ、どっちも。」

チコ「なんにしても困ってるんですよ。本気で」

ミハイル「妙だな今から調べてみるか。」

チコ「あ、今はだめです」

ミハイル「なぜ?」

チコ「昼間は何ともないんですよ。なので真夜中にお願いします」

そんなこんなで真夜中になり、トイレの前に集まった一同。

ミハイルはさっそくノックをする。

『入ってます』

ミハイル「誰かいるのか」

『いいえ』

ミハイル「誰もいないでどうして返事ができる!」

ガンッとドアを開け放つがやはり誰もいない。
外に出てドアを閉めると。

『うるさい』

ミハイル「なんだと!あほ間抜けうんこたれ!」

『なにをっ!』

今度は間髪を開けずに声がした瞬間にドアをあけ放つがやはり誰もいない。
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