ー日常ー街の住人達【6】

ーM共和国ー

M共和国でダイヤを含む宝石の鉱脈が発見された。

調査の結果、質、量ともに非常に有望な鉱脈と判明。M国政府はただちに友好国であり宝石掘削の先進国であるエメラダに供与を依頼した。

M国からの打診を受けてさっそくミハイルがやってきたのだが。

技術の見返りに莫大な額の報酬を要求したため交渉は難航した。

ミハイル「まったくこの国の連中はケチだ!ぼくは儲けの5割をよこせと言ってるだけなんだ!6割7割と言ってるわけじゃない!」

チコ「5割もたいがいですよ…」

大臣「慣れない鉱山業に進出するわけですから技術の提出に対して収益の一割前後の利益配分は予定しておりましたが…」

どこまで行っても平行線、時間がたちおなかもすいてきたので場所を変えて食事をとろうということになった。

ミハイル「ムスッ」

大臣「眺めの良いホテルの最上階のレストランです。」

ミハイル「景色を食べるわけじゃありませんがね。」

チコ「ちょっとまずいですね。食事の話題を出しても不機嫌なのは……」

大臣「まずいですか…。」

いつもならただの食事に大喜びするミハイルだがお金の問題が片付かないので不機嫌だった。

「大臣」

大臣「おお、そうか。遠来の友人を歓迎するため食事の合間にマジックショーをごらんにいれるそうです。」

ミハイル「マジック~~?」

大臣「我が国一番のマジシャン、ミスター=マックリです。」

ミハイル「マックリ?どこかにマックリ村ってのがあったな」

チコ「真狩村でしょう」

そうこうしている内にステージにタキシードにシルクハットをかぶったいかにもなマジシャンが手品をはじめた。

プロというだけあって何もない空間から花やカードが飛び出したりお金を払ってでも普通に楽しめるレベル……なのだが。

ミハイル「あ~あ」

マックリ「今度はシルクハットから何か取り出します」

ミハイル「退屈なマジックだなぁ」

マッカリ「むっ」

ミハイル「とりだすなんら勝手にやれ。ハトかせいぜいウサギだろうシルクのハンカチなんか何十枚取り出しても驚かんぞ」

チコ「すいません。殿下はいま虫の居所が悪いようで」

大臣「はあ」

アシスタント「先生」

マッカリ「悪い客だな。しかし動じてはいかんぞこういうときこそ落ち着いて手順通り……。」

すると、突如足元が揺れた。

大臣「地震か!」

揺れたのはほんの一瞬、騒ぐほどのものではなかったが場が静まり返ったのでマッカリはマジックを進めた。
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