ｰ小鳥遊邸:庭ｰ

悠「ふんふんふーん♪」

楓子「精が出ますねやよ」
ブンブンブンブン!

悠「いや……お前ほどではないよ…。」

楓子「はい?」
ブンブンブンブン!

悠「いったい、いつからそうしてる?」

楓子「かれこれ二時間ほどですやよ。」
ブンブンブンブン!

悠「二時間って……干からびるか、腕が腱鞘炎になるぞ」

楓子「いえいえ、まだまだ全然余裕ですやよ。それに師匠も仰っていたではありませんかやよ。」
ブンブンブン!

悠「あー?」

楓子「花の寿命は短いと」
ブンブンブン!

悠「……いったっけ?」

楓子「はい、仰られましたやよ」
ブンブンブン!

悠「ちなみにそれをどう解釈した?」

楓子「命が尽きる前に全身全霊で鍛え上げろという意味ですやよ」
ブンブンブン!

悠「花の寿命が短いから綺麗なうちに恋をしろとかそういう風には理解しなかったか……」

楓子「?」
ブンブンブン!

悠「いや、しない振り回しながら小首を傾げるなよ。」

ゆうな「ただいまんだらガンダム」

ゆえ「ただいまんじがため……」

悠「おかえリーチ、ツモ一発」

楓子「お二人ともお帰りなさいやよ」
ブンブンブン!

ゆうな「デコデコ今日も張り切ってるね」

楓子「はい、毎日が精進ですやよ」

悠「随分遅かったな、どこ行ってた?」

ゆうな「友達のお家」

悠「ふーん、友達……え?」

ゆうな「えっ?てなに、えっ?て」

悠「いや、深い意味はない。そうだ、ゲームするか?」

ゆえ「んーん、さっきしたからいい……」

ゆうな「部屋でお昼寝するー」

悠「……」

楓子「もう夕方ですけけどねやよ」
ブンブンブン!

ゆうな「じゃあ、夕寝」

ゆえ「ゆうはんになったらおこして……」

楓子「承りましたやよ」
ブンブンブン!

悠「……何か寂しいなぁ」

楓子「でしたら、一緒にトレーニングなどいかがですかやよ?」

悠「それはいいわ……逆にお前こそ土いじりしてみるか?」

楓子「私にそういう繊細なのはちょっと……」
ブンブンブン!

悠「太刀筋が繊細そのもののお前が言うセリフかソレ」

楓子「剣術と土いじりは違いますやよ。」

悠「土を耕すのは大地を切り刻む要領だろ(適当)。」

楓子「なんと……つまり、師匠が土いじりをしているのは修行の一環だということですかやよ!!」

悠「なんかオーバーなことになってる」

楓子「流石は師匠……この楓子、またひとつ感動ですやよ!!」

悠「あぁ、うん……そだね。」

楓子「大地を斬る……やはり師匠はスケールが違いますやよ!驚きの境地ですやよ!」

悠「悪かったから、素ぶり続けててくれ……」