ー日常ー街の住人達【6】

ー常春の国エメラダ:ミハイル宮殿ー

チコ「殿下ー?殿下どこですかー?」

ミハイル「……ここだ」

チコ「ああ、居た。お手紙が届いてます。」

ミハイル「えっ、誰から?」

チコ「国民から」

ミハイル「はあ?国民がぼくに何の手紙をよこしたんだ。読んでみろ」

チコ「えーと……」

ミハイル「(文句でもいって来たらただじゃおかんぞ)」

チコ「ありがとうございます」

ミハイル「……」

チコ「殿下のおかげです。嬉しいです。感謝してます。その他いろいろ」

ミハイル「ちょっと待てそいつらなにを言ってるんだ。」

チコ「はっ?心当たりは?」

ミハイル「まったくない」

チコ「おかしいですね。」

ミハイル「そうだおかしいんだ。」

チコ「でも、私に聞かれても分かりませんよ。」

ミハイル「むむむっ……変だ!!なんでもかんでもスピリチュアルに結び付ける考えるのはやめろとは言ったが、しかしそんなことを言ってる場合じゃない、あきらかに何かスピリチュアル的なことが起きている。いったいなにが……」

ムーン1「お手紙です」

背後からいきなり声をかけられてドでかい木製の棒(棍棒)でムーン1をぶっ叩いた。

ミハイル「おどかすな!」

ムーン1「勝手に驚いたんじゃないですか!」

ミハイル「手紙ってまた国民からか」

ムーン1「えーと、差出人はロジャー=ムーワさんです。」

ミハイル「え007?」

ムーン1「それはロジャー=ムーア。こっちはムーワです。」

ミハイル「ロジャー=ムーワ?どこかで聞いたな……あっ」

チコ「ご存知ですか?」

ミハイル「エメラダ大学の教授だ」

チコ「エメラダ大学?」

ミハイル「ぼくは飛び級で8歳で大学に入って9歳で卒業したんだが」

チコ「ああ、そういえばそうでしたね。」

ミハイル「その時お世話になったおじいちゃん先生だ。懐かしいな。なになに君がこの手紙を読んでるとき私はもうこの世にはいないでしょう。」

チコ「わぉ…」

ミハイル「なんなんだ。このいきなりスピリチュアル的なはじまり方はなになに、えーと……」

【君が在学中にいろいろと親切にしてくれたこと、忘れることはできません、もちろん君は私よりずっと年下でしたがしかし君の教養の深さ、人間として大きさにどれほど教えられたか、いかに救われたカ君自身には想像もできないかもしれません。そのお礼が言いたくて、この手紙をしたためています。】
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