ー日常ー街の住人達【5】

ーホテル:一室ー

マリア「お熊さんたいへんなことになってますよ!」

お熊「ホッホッホッホッホッホッホッホッー」

儲かって不気味な笑いが止まらなくなっているお熊。

マリア「聞いてますか!」

お熊「かまわないのよ。相手はボンボンだからプレゼントする以外に好意の表し方を知らないのよ。」

マリア「だから辛いんです。じっと私を見てるんです。あくまでも仮の恋人で手を握ってもいけない契約だから我慢してるのが分かるんです。本当は私ともっと親密になりたいんですでも私は本当はマシュマロさんじゃない。だましてるのがつらくて心苦しい。」

お熊「まあいろいろプレゼントしてくれたわけだから。お礼にベットインしたら?」

マリア「だから、できるもんか!」

お熊「これよ」

差し出されて物ををマリアは受け取って首をかしげた。


~~


ー高級マンション:リチャードの部屋ー

マリア「リチャード」

リチャード「なんだいおマリ。」

マリア「あの……契約ではいけないことになってるけど、はしたない女だと思わないでね。ひと晩だけなら……」

リチャード「いいのかい」

マリア「その前にワインを飲んで。」

リチャード「えっ、ああ。」

クィッと一息にワインを飲み干すとリチャードは崩れ落ちるよう倒れて寝息を立てている。

マリアは昨日の事を思い出した。

お熊『バーチャルエッチ用の睡眠学習テープよ。睡眠薬と媚薬入りのワインを飲ませてからテープを聞かせると夢の中ですごいエッチを体験するの。もちろんあたしがつくったんだけど。目が覚めた時にはおマリちゃんとシた気分になって彼も大満足ってわけ。』

服を脱がせた彼をベッドに寝かせて枕もとで例のテープをかける。

『ああっああんああんっ』

リチャード「ああっああんあん」

これでよし。テープのお熊さんの声は相当気持ち悪いけど。さてとこうなると朝まで暇。
テコテコと部屋の中を歩きまわっていると初日に触らないように言われていたノートパソコンが目に入った。

暇つぶしにちょっとぐらいいいだろうと起動してみる。しかし、ロックされているのか動作しない。

適当に触ってみるけどやはり動かない。

マリア「うーん、ダメか。ちぇっ、つまらないの。」

諦めて別の暇つぶしをしようとその場を離れたマリア。だが、ノートパソコンから無数の数字が流れていくのを見逃してしまっていた。
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