ー日常ー街の住人達【5】

ーホテル:一室ー

マリア「ただいま戻りました。」

お熊「お帰りなさい。どうだった?」

マリア「色々と疲れたの一言ですけど……こんなものをいただきまして。」

リチャードに渡されたプレゼントをお熊さんに見せた。

お熊「あらあら。ちょっと開けてみましょう。」

マリア「はい」

リボンと包装を解いて箱のふたを開けてみると、ネックレスとイヤリングと指輪がキラキラと輝いていた。

お熊「ダイヤモンドのネックレスとイヤリングと指輪のハイジュエリーセットね。」

マリア「ダイヤモンドって…」

お熊「日本で買えば四千万はくだらないわ。」

マリア「よっ……せんまっ?!こんな高い物もらえませんよ返しましょう!」

お熊「バカこかないで!くれたんだからもらっとけばいいのよ!お金持ちだからこんなのはポケットマネーよ!この調子でじゃんじゃん貢がせるのよ!」

お熊さんの目が$マークになっている……。

それからというもの、デートで高級ブティックを歩いていると

マリア「(うわー、高そうな毛皮)」

リチャード「君」

店員「はい?」

リチャード「あのロシアンセーブルをくれ」

マリア「ちょっ!いけません!けっこうです本当にいりません!」

リチャード「新鮮な反応だなぁ。今までの子たちはみんな当然といった顔で受け取ったものだが、いいんだほんの気持ちだから。はっはっは。」

マリア「えぇ…」

そして次の日

リチャード「おマリ馬は好きかい?」

馬といえば以前食べた馬刺しが美味しかったのを思い出した。

マリア「ええ好きです。」

リチャード「よし、グランプリ馬をプレゼントしよう」

マリア「競走馬かいっ!?」

リチャード「決まっているだろう。あ、そうだ。おマリは別荘は好きかい?」

今のでパターンは読めた。これで別荘が好きといったら遊びに行くとかじゃ無くて別荘を購入するに違いない。

マリア「いいえ!」

リチャード「そうか。」

マリア「ホッ……」

よし、うまくいったと思ったらリチャードは携帯を取りだすとおもむろにどこかに電話をつなげて。

リチャード「もしもし、家がいいそうだ。手続きを頼む」

マリア「NOOO!」

リチャード「あはは、ただの気持ちだよ。さぁ、食事に行こう?何が食べたい?すぐにレストランを貸し切るよ」

マリア「貸しきらなくていいです!」

リチャード「あはははっ。」

いたって普通に笑うリチャード。金持ちというものに恐怖を覚え始めてきた……。
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