ｰアメリカ:高級マンションｰ

マリアがゾワリとしたものを感じているとピンポーンっとチャイムが鳴った。

リチャード「えーい、誰だこんな時に」

肩に回されかけていた腕が離れていく。

マリア「ホッ」

リチャード「あっ、そこのパソコンには手を振れないでくれたまえ。父から預かったものなんだ。なんだかしらないが」

プレイボーイが指さした先には一台のノートパソコンがおかれていた。

マリア「さわるなと言われると……」

リチャード「エイミー!!」

マリア「ふぁっ!?」

パソコンに手を伸ばそうとしたその時、リチャードの驚きの叫び声。

リチャード「ちょっちょっと待ってくれ!」

バタバタと戻ってくるや否や腕を掴まれてベッドに放り込まれる。

マリア「キャッ!」

そして掛け布団を頭からかぶせられると

リチャード「寝たふりをしてくれ!頼む!」

言うだけ言うとまたドタバタと走っていってしまう。

マリア「あーびっくりしたいきなり押し倒されるのかと思った」

寝たふりをしつつドアの外の声に耳を澄ますと聞こえてきたのはプレイボーイの声と興奮気味の女性の声だ。

リチャード「やあ、エイミー」

エイミー「奥様と離婚するんですって!?あたしと結婚してくれるといってくれたわよね!」

リチャード「しっ、声が大きい。ほら、ワイフだよ。」

エイミー「えっ?!」

少しだけとあの開く音がしてすぐに閉まった。

リチャード「離婚なんてどこで聞いたか知らないがワイフは重い病気なんだ」

エイミー「なんですって」

リチャード「君とのことはもちろん遊びじゃなかった。でも今はこういう状況だから……あとで連絡するよもちろん愛してるとも……うんもちろんさ…それじゃ」

一応、話がついたのか人の気配が遠ざかっていく。

マリア「……」

疲れた様子で戻ってきたリチャードだったが……。ピンポーンっとまたチャイムが鳴った。

リチャード「やあアリシア!離婚だって!?とんでもないワイフが重い病気で!もちろん愛しているよいずれ連絡するから!!」

っと、またひとり、またひとりと愛人らしき来客が来るわ来るわ。

マリア「なんだかなぁ……。」

結局、マリアは午前中いっぱいベッドの中で過ごすはめになり。やることもなかったので熟睡することにした。

そしてようやく起こされたのは日も落ちた夜、リチャードも疲れ切った様子で食事に行こうと出かけることになった。