ー日常ー街の住人達【5】

ー森林警備隊官舎:内部ー

ミハイル「プロフェッサーは気象学と生物学の権威ですがこれをなんと思われます?」

ニド「一見したところ、強い力で人間を押しつぶしミンチにしただけのようだがよく見ると筋組織と神経が綺麗に切り離されていたりして、力任せに潰したのではないことが分かる。何者かが人体の仕組みを調べるために荒っぽく解剖したように見えるがね」

ミハイル「解剖…」


~~


そのころ、化け物を追った警備隊たちだったが。

警備隊A「どうだ!?」

警備隊B「化け物なんか見当たらんぞ!」

警備隊A「あっちを探そう!」

あまり散り散りにならないように次の部屋へと向かうさなか、警備隊のひとりが、すぐに戻ってきた。

警備隊C「あれえ、1台しかないはずのパソコンが2台あるぞ。ケチな本部が寄越すはずないし……」

そういいながらパソコンに近づいた瞬間……

「うわあああああっ!!」


~~


警備隊A「今度は向こうだ!」

警備隊B「どうしてこういったり来たりせにゃならんのだ!」

悲鳴の聞こえた部屋へと戻ってくると。

「……』

今度はさっきよりは人間に近い、しかし、パソコンと融合した化け物が居た。そしてまたもすぐに逃げ去ってしまう。

警備隊A「ひえーーっ!?」

警備隊B「あわわわっ!」

ミハイル「どうした!」

警備隊A「たしかにいました!パソコンと合体した化け物です!」

ミハイル「さっきのやつとは違うようだな」

ニド「ミハイル君」

ミハイル「紛失した玉子と関係があると考えるのが妥当でしょうね……。武器はあるか?」

警備隊A「大型獣に襲われたときの用心のために倉庫に散弾銃が……」

ミハイル「よし」

チコ「殿下!」

ミハイル「お前たちは手分けしてもう一度怪しい奴を探せ!くれぐれも油断するなよ!」

ニド「むっ!ここにも……」

この部屋にもさっきと同じ肉片が落ちていた。


倉庫へと走ったミハイルは無造作に押し込まれている荷物の中から散弾銃を探しだした。

ミハイル「なんだこりゃ、えらく旧式だな」

瞬間、どこからか聞こえてくる三度目の悲鳴!

ムーン1「殿下、またです!」

ミハイル「どこからだ!」

チコ「あっちから!」

四方から足音が集まってくる。

ニド「おっ」

警備隊A「これは……」

廊下の真ん中には例の肉片……。

ムーン2「うわっ、ここにもある」

ミハイル「化け物は?」

チコ「今度は見ませんでしたね。」
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