ー日常ー街の住人達【5】

ー森林警備隊官舎:内部ー

各々散らばって玉子らしきものを探し始めて数分……。

おかしいなあ、結構重かったからそんな遠くまで転がる筈はないんだが……っとこぼしながら警備隊のひとりはもともと置いてあった部屋を隅々まで探すもののまったく見当たらない。仕方ないので別の部屋を探そうと扉の方を見た。

すると、おかしなことに気がついた。扉が二つあるのだ。この部屋の出入り口は一つだったはず。

皆が出ていって開けっぱなしの扉から出で壁を見てみると、扉は無い。しかし部屋に戻ってみてみると、やはりもう一つ扉がある。

いったいどういう事なんだろうとドアノブに手を伸ばした瞬間……。

「うわあぁぁぁぁっ!!」


~~


チコ「普通の卵なら椅子のしたとかにも転げていきそうですけど……ないですね。」

ミハイル「今、悲鳴が聞こえなかったか?」

ムーン1「えっ?」

ニド「そういえば何か聞こえたような」

チコ「なんでしょう」

ニド「誰か玉子に襲われたかな?」

ミハイル「はっはっ、まさか」

冗談を言いながら卵がなくなった部屋に繋がる廊下へ出てみると……。

「……』

そこには異形の者がいた警備隊の服を着て人間の形を訂しているが内側からドアのようなものが飛び出しつつ手足は歪に曲がり皮膚がゴムのように伸びている化物だ。

ミハイル「キャアアァァッ!」
ニド「ううわあぁぁっ!」

化け物「……』

悲鳴を聞いて驚いたのかは分からないが化け物は廊下の奥へと消えていく。

ムーン1「殿下どうしました!!」

ミハイル「ばばばっ!」

ムーン1「ばばばっ?」

ムーン2「えーとえーと、バットマン!あっ、負けちゃった!」

ミハイル「しりとりではない!化け物が現れたんだ!!」

警備隊A「化け物?!」

警備隊B「なくなった玉子と関係があるのか!」

警備隊C「追えーっ!」

騒ぎを聞きつけて集まってきた警備隊たちが後を追う。

その影でミハイルはしょーもないギャグをする。

ミハイル「オエーッ」

ムーン1「やると思った」

チコ「殿下は汚いギャグが好きだから」

ニド「ミハイル君、さっきの部屋に何かある。」

ニドがしゃがんで指さした先にはぐちゃぐちゃのナニか。

チコ「うっ……な、なんですかそれ。」

ニド「人間の組織だ。ぐちゃぐちゃになってる。」

ミハイル「どしゃ降りのお弔い」

ムーン2「えっ?」

ミハイル「葬式がぐちゃぐちゃ」

チコ「いい加減にしとかないと、そろそろ殴りますよ」
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