ー日常ー街の住人達【5】

ー森林警備隊官舎ー

ミハイル「乗員はいたのかいなかったのか!」

警備隊A「それが!風防の中にカプセル状のシートがあってその中に玉子のようなものが!」

ミハイル「なにっ!王の子孫が!!」

チコ「それは王子」

警備隊A「王子じゃなくて玉子です!」

ミハイル「玉子といえば、一声と三声は呼ばぬ玉子売り。玉子売りは二声に限るのだ。三声だと「たまごたまごたまご」と追いかけられるみたいだし一声だと……」

『たまごー』

『かかってきなさい』

ミハイル「道場破りと間違えられる。」

チコ「それで?」

警備隊A「玉子状の物質何ですってば!!」

チコ「玉子状の物質?」

警備隊A「それが不思議な物質で硬いようで硬くなく柔らかいようで柔らかくなく」

警備隊B「熱いようで熱くなく冷たいようで冷たくない物質なのです!」

ミハイル「硬いようで硬くなく柔らかいようで柔らかくなくない!?それじゃまるで!」

チコ「それじゃまるで?」

ミハイル「興奮しきる前のオチン……」

チコ「ぶっ殺しますよ!」

ミハイル「熱いようでも熱くはないベンベン、冷たいようでも冷たくないベンベン、それは何かと尋ねられたら、あっ、氷の天ぷら、氷の天ぷら……って、関西落語の大喜利か!」

ムーン1「自分でやったくせに!」

ミハイル「その物質を見てみよう」

やりたいだけやって、コロッと官舎内に入っていくミハイル。

警備隊C「うん?何だ君は?」

中へ入ると別の警備隊が突然入ってきたミハイルを怪訝な目で見た。

ミハイル「何だ君はっていった?そーだすわたしが変な国王です!って、誰がだっ!!」

チコ「自分でボケてどうしてひとにツッコむんですか!!」

警備隊A「世界科学者会議の方だ玉子を調査してくださるんだ」

警備隊C「ああそうか」

警備隊D「ビックリした。玉子はあそこです。」

ひとりの警備隊が手を向けた先には……何もなかった。

ミハイル「(ムムッ見えない!利口な人間には見えて馬鹿には見えない裸の王様的な玉子なのか!)」

警備隊A「ああっ玉子がなくなってる!!」

ミハイル「ふー(見栄を張って見えるといわなくてよかったー)」

チコ「(ひとりで深読みしてひとりで気を揉んでるなぁ)」

警備隊A「おい、どこに隠した」

警備隊C「隠しゃしないひとりでにいなくなったんだ」

警備隊A「そんなはずがあるか」

ニド「転がったのかな」

ミハイル「とにかく探そう。その物体の大きさは?」

警備隊B「直径約1メートルくらいのティラノザウルスの卵ぐらいの大きさです」

ミハイル「Tレックスの卵を見たことあるのか?」

警備隊B「いえ、なんとなく」
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