ー日常ー街の住人達【5】

ーエメラダ:ミハイル宮殿ー

ミハイル「このモニターで全部見えるんだ。」

チコ「あっトヤマのひとが集荷に来た」

ムーン1「バンに乗せた」

ムーン2「自動車の種類までわかるんだ。すごい」

っと、モニターを眺めていると急に画面がぶれた。

チコ「えっ?」

画面だけではないモニター自体が携帯のバイブレーションみたいに振動を始めてバンッと破裂してしまった。

ムーン1「なんだこれは!」

ミハイル「もしかしたら!」

チコ「なにか思いつきましたか!」

ミハイル「最近エメラダではなぜかわけのわからない神様が数多く出現している!」

ムーン1「そういえば貧乏神やら服の神やらが来てましたもんね。」

ミハイル「宅配便の神様がいるとしたら?」

チコ「宅配便の神さま!?」

ムーン1「そのココロは!?」

ミハイル「宅配便はキチンと正確に届くのがあたりまえだ!毎回キチンと届いて皆がそれを当然だと思ってるが、しかしそれは神様がきちんと届けているからだ!」

チコ「えーと、少しわかりにくいですが」

ミハイル「まじめな神様がまじめに届けているから宅配便はまじめに届くのだ!だが、もしも神様がまじめでいることにあきたとしたら!毎日毎日まじめに働いているのに誰も感謝してくれない!もう、やーめた!そう考えてまじめに届けるのをやめたのだ!だから今回発送したはずの荷物が戻ってきたり、受け取り伝票にいるはずのない人間のサインがかかれていたりするのだ!」

チコ「わかるようなわからないような」

ムーン1「要するに?」

ミハイル「よーーするに宅配便の神さまが不真面目になったのただ!このままでは宅配便というシステムそのものが利用できなくなる!」

ムーン1「えーっそれは困りますよ!」

ムーン2「世界中の宅配便がストップしたらたいへんなことになるぞ!」

チコ「殿下、どううしたらいいんです!」

ミハイル「まじめな神様にもどっていただくしかない!」

チコ「どうやって」

ミハイル「お願いするんだ!」

ムーン1「どうやってお願いするんです!」

ミハイル「うーん……」

チコ「そこまで考えてからしゃべらんかいっ!!」

ミハイル「そうだ!なんといっても相手は神さまだから!」

「「「神様だから?」」」

ミハイル「貢ぎ物だーーっ!」

チコ「貢ぎ物って……」

ミハイル「なんでもいいから、貢物と祭壇を準備しろぉーーー!!」
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