ー日常ー街の住人達【5】

ーエメラダ:ミハイル宮殿ー

チコ「殿下、これはいったい…」

ミハイル「可能性は色々考えられる。なんらかの偶然が重なってわけのわからない結果になっているのか、あるいは少し考えにくいことだが……」

チコ「考えにくいことだが?」

ミハイル「トヤマとユーアンドが口をそろえて嘘を吐いているか」

チコ「考えにくいですね。」

ムーン1「殿下どうしましょう?」

ミハイル「そうだな……。よし、もういっぺん発送してみろ。スンナリ届いたら、何かの偶然だったことになるし」

チコ「届かなかったら?」

ミハイル「本格的に原因を解明しなくちゃならないだろうな」

ムーン20「わかりました。発送します。」

ミハイル「ところで全然関係ないんだが、突然思いついたんだ、これをなんと読む」

【父母子】

チコ「ふぼし?」

ミハイル「チチカカこ」

ムーン1「本当に突然思いついたんだな…」


そして、次の日……

ミハイル「荷物はどうなった。」

ムーン20「ちゃんと送りましたけど」

チコ「もしかしてまてた戻ってきたりして」

ムーン20「まさか」

とは言うものの気になって応接室へと見にいってみると、そのまさかで昨日と同じようにテーブルの上に荷物が乗っていた。

チコ「戻ってきてます!」

ミハイル「どうなってるんだ!電話をかけてみろ!」

チコ「もしもし黒猫トヤマさん!また荷物が戻って……えっ、受け取りのサインがある?受け取った人の名前は!!えっ!?山坂転太(やまさかころんだ)!?」

ミハイル「ユーアンド商会にそんな名前の奴がいるわけがない!」

チコ「もしもしユーアンドさん!山坂転太さんはいますか!山坂コロンブスという社員はいるけど山坂転太はいない!?」

ミハイル「へー、山坂コロンブスは居るんだ。……って、感心してる場合か!!こうなったら徹底的に調べてやる!荷物からダイヤを取りだせ!あと、工具キットをもってこい!」

チコ「わかりました!」

ムーン1「どうするんですか」

ミハイル「ダイヤの代わりに色んな装置を組み込むんだ。」

作業すること数分、見た目は変わらないまま装置が組み込まれた箱が出来上がる。

チコ「どんな装置をいれたんです?」

ミハイル「荷物がいまどこにあるかどんな奴がどんなふうに運んでいるかさらに外の様子がどうなっているかまで分かる装置だ。」

チコ「すごいですね」

ミハイル「よし、発想しろ」

ムーン1「はい」
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