ー日常ー街の住人達【5】

ーホテルプラチナ観光案内出張所ー

絵里「それでは岡松美術館などはいかがでしょう?ガンダーラ・インド彫刻が充実していまして……」

外国人「オー、アリガトデス。そこでOK。」

絵里「ではこちらが入場券です。800円でございます。」

外国人「ウィ」

絵里「Enjoy!」

北斎「……結構、外国人のお客さんが来るね。」

絵里「ん?そうね。ここら辺はタイとかエチオピアとか大使館も多いから。直接プラチナのお客様じゃなくても。ここの案内所に足を運んでくれれば商店街も活気づくし、これをきっかけにプラチナを利用してくれるかもしれないしね。」

北斎「そうだね。どんな形でもまず人を呼ばなくちゃ何も始まらない。」

女学生A「……」
女学生B「……」
女学生C「……」

北斎「ん?」

視線を感じて振り向くと出入り口の影から制服の少女たちがこちらを見ていた。

「「「キャーーッ」」」

いわゆる黄色い悲鳴。だけど、意味が良く分からない。

北斎「あの……なにかな?」

女学生A「えーと、写真…撮らせてもらってもいいですかあ?」

北斎「写真?」

女学生B「黒執事のコスプレですかあ?」

女学生C「カッコいいですねえ」

アレヨアレヨと言う内に女学生二人に両腕を組まれてしまう。

北斎「コスプレってなに?」

絵里「ははーん、漫画か何かのコスプレと勘違いされてるのね。」

北斎「だからコスプレって?」

絵里「いいじゃない。サービスで写真くらい撮らせてあげれば、どんな形でも人が来てくれるのはいいことだし」

北斎「ちょっと……困るよ!このご時世写真なんて撮られたらどう使われるか分かったもんじゃないし!柏さんに怒られる!」

女学生A「はーい撮りまーす。」


~~


柏「……ふー」

北斎「あ、柏さん」

柏「例の観光案内、どんな調子だ?」

北斎「はい、なかなかいい感じです」

柏「そうか。向こうの話だが……」

北斎「はい」

柏「全部処分してアレだけは残しておいた、これでよかったんだな?」

北斎「はい、ありがとうございます。」

柏「こっちに届くには時間がかかるが、それは我慢しとけ。」

北斎「あー、やっぱり時間かかっちゃいますか……」

柏「まぁな。もう仕事は終わったんだろ、飯でもどうだ?光臣もいるがあいつは水しか飲まねぇからな。」

北斎「ああ、すいません。今日はこのあと商店街の方に食事のお誘いがありまして」

柏「そうか。ならいい。」

北斎「また、お誘いお願いします。」
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