ー日常ー街の住人達【5】

ーロンドン大使館ー

そんなある日

ミハイル「弁護士?」

弁護士「現在評判のガラスアーティストがチェロ奏者のゴッシュマン氏のご子息と伺いまして。」

ゴッシュマン号「なにか」

弁護士「お母さまがお亡くなりになったので、それをお知らせに……」

ゴッシュマン号「帰ってください」

弁護士「……」

ミハイル「おい!?」

弁護士「あの…お母さまですよ」

ゴッシュマン号「帰ってくれと申し上げている!」

ミハイル「ゴッシュマン号わけのわからん反応だが、いったい」

ゴッシュマン号「殿下には関係ないことです!」

ミハイル「そうはいくか!分かるように説明してくれないと話が見えんじゃないか!」

ゴッシュマン号「どうしても話せとおっしゃるのか!母は男を作って家を飛び出したんです!幼かった僕を置き去りにして!」

ミハイル「……!」

ゴッシュマン号「そんな死のうがどうしようが…」

弁護士「お待ちください。その話はお父上があなたに?」

ゴッシュマン号「そうです!」

弁護士「お父上は嘘を教えたようだ」

ゴッシュマン号「なっ……!?」

チコ「どういうことですか?」

弁護士「……どうか、話の続きはある場所にいってからさせてください。どうぞ、外に車を待たせていますので。」

ミハイル「よし、行くぞ!」

ゴッシュマン号「……」


~~


弁護士「先々代のゴッシュマン氏はエメラダのひとで、あなたはエメラダ大学在学中にお父上がなくなったのでそのまま祖国に住みついたわけです。」

ゴッシュマン号「つまらないことをよくご存じだ。」

弁護士「母上の父親は、わたしの学生時代の親友で、その関係で彼女の面倒を見させてもらったし、アナタのことも知っているのです。つきました、どうぞ、皆さん降りてください。」

ロンドンの住宅街の真ん中で、ミハイルとチコは特に何も思わなかったがゴッシュマン号はすぐに気がついた。

ゴッシュマン号「ここは!」

弁護士「そう。エメラダに行く前、あなたがお父上とこのロンドンで暮らしていた時、小学、中学、高校とずーっと通い続けた通学路です。お母さんはあそこに住んでいたんですよ。」

弁護士は通学路が良く見える小さな家を指さした。

ゴッシュマン号「えっ!?」
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