ー日常ー街の住人達【5】

ーロンドン大使館ー

ゴッシュマン号「残念ながら僕は父の才能を受け継がなかった。色んな楽器を練習したけれど、どれもものにならなくてね。それで仕方なくムーンになったわけだけど」

Lムーン1「イラッ」

Lムーン2「イラッ」

ゴッシュマン号「しかし芸術家の魂は持ってるつもりだ。そのぼくの目から見て君の構え方はなっちゃいないよ。」

Lムーン2「(まったく何様のつもりなのかな)そんなにいうなら君やってみせてくれ」


ゴッシュマン号「いくぞ」

Lムーン2「ちょっと待て、僕の構え方とどこが違うんだ」

ゴッシュマン号「微妙だが決定的なこの差を理解できない芸術オンチは黙ってろ。」

Lムーン2「なんか悔しい」

Lムーン1「結局、芸術なんて言ったもん勝ちだからなあ。」

ゴッシュマン号「(なんとでもぬかしてろ。芸術家のぼくにはハッキリと見える。このガラスの叩くべきところは、この一点のみ)せいっ!」

ゴッシュマン号が振りかぶった木槌はガラスを打った。瞬間、パシャーーンっと破壊音とともにガラスが散らばったがその破片は丸。大小様々なサイズではあるが円形の破片が散らばっている。

ミハイル「おや?なんだありゃ」

たまたま帳簿のチェックに来ていたミハイルが、この様子を見ていたのでした。


~~


Lムーン1「普通に割れたところもありますが大部分はごらんのように円形に割れたのです。」

チコ「本当に綺麗な円形ですね。」

ミハイル「特殊なガラスじゃないんだろう。」

Lムーン2「ごく普通の品です。」

Lムーン1「ゴッシュマン号、叩くときなにかやったか?」

ゴッシュマン号「別に」

チコ「ゴッシュマン?」

ミハイル「というと、確か父親が有名な音楽家の」

ゴッシュマン号「まぁね」

ミハイル「ひそひそ(なんなんだこいつは)」

Lムーン1「ひそひそ(こういう奴なんですよ)」

ミハイル「まあいい、すると何か子供たちが毎朝ボールを……それでヒビが入り処分しようとしたと」

Lムーン1「そうです」

ミハイル「もしかしたら」

ミハイルはパソコンで何かを調べ始めた。

チコ「なにか分かりました?」

ミハイル「97%の確立で、この現象はガラスの記憶によるものだ!」

チコ「本国のマザーコンピューターと直結している地下のシスターコンピューターが97%ということは……」

Lムーン1「絶対確実という事だ!」

Lムーン2「ガラスの記憶ってなんです?」

ミハイル「待て!説明する前に、もう一度チェックしたいついてこい!」
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