ー日常ー街の住人達【5】
ー白金:商店街レストランー
「おとーさん!決まったよ!商店街コンシェルジュ(※)!」
※:コンシェルジュ
コンシェルジュは本来「集合住宅(アパルトマン)の管理人」という程度の意しか持たない単語である。
そこから解釈を広げ、ホテルの宿泊客のあらゆる要望、案内に対応する「総合世話係」というような職務を担う人の職名として使われている。
宿泊客のあらゆる要望に応えることをそのモットーとしていることもあり、「(宿泊客の要望に対して)決してNOとは言わない」と言われている。
北斎「え?」
「あら?」
北斎「……」
「まあ、お父さん。いつのまにこんな若くてイケメンになって……」
シェフ「親の顔を忘れるような娘はとっととイケメンのところでもどこでも嫁に行け」
「冗談、冗談。お客さん?」
北斎「あ…いや…。ちょっと道を教えてもらってただけで…すぐ帰ります。」
シェフ「大丈夫かい?もう三回も同じところグルグル回ってるのに」
そういってイケメンは道を(三回目らしいが)聞いて、出て行った。
シェフ「絵里でどうしたって?」
絵里「……あ、そうそう。やることになったたのよ。商店街コンシェルジュ!私の出した企画が通ったの!」
シェフ「ほう」
~~
絵里「コンシェルジュっていうのはホテルとかにいる観光案内人のことでね、この商店街に私の働いているホテルキャピタルプラチナがコンシェルジュの出張所を作るの!ホテルが地元の名店と協力して、観光客を案内したり、英会話を指導したり。地元のお店を観光資源として活用することでホテルはお客様を呼んで、それぞれのお店はそれぞれの持ち味でお客様に楽しんでもらう。これは同じようなことをロイヤルパークホテルとかでもやってるの。」
レストランに集まった年配、中年の男性から女性、それぞれの顔はあまりいい表情はしていない。
「絵里ちゃん洋品店の田村さん今月いっぱいでお店をたたむんだって今年に入ってもう三軒目だよ。ここもいよいよシャッター通りになりかかってる。」
「絵里ちゃんは一生懸命やってくれてるけど」
「いまさら何をしたって……」
絵里「あ……」
どこか冷めたムードの中を誰かが拍手しながら歩いてくる。
眼鏡の男「いいアイディアだと思うよ。うん、絵里ちゃんらしいいいアイディアだ。」
絵里「的場さん」
的場「僕の会社も応援するから、ぜひ一緒に頑張らせてほしいな」
絵里「あ、ありがとうございます。うれしいです。えへへ…」
北斎「……」
「話だけ聞くとなんだがよさそうだけど…」
「そう思い通りにいくかなあ?」
絵里「大丈夫、ホテルがね。経営アドバイザーを用意してくれるから、だからきっとうまくいくよ。ね?みんなで頑張ろう?」
北斎「……」
「絵里ちゃんがそういうと……」
「なんだか上手くいきそうな気がしてくるね。」
北斎「……」
「絵里ちゃんの笑顔は元気の素だね。」
「ひとつやってみょうか。ははっ」
北斎「……」
話がまとまったところで商店街の顔ぶれではない男がひとり突っ立っているのに全員の視線が集まる。
「……あんたは?」
北斎「すみません、どうしても駅に行けないんです。ホテルキャピタルプラチナ…シャトルバスが出てるらしいんですが…。」
「おとーさん!決まったよ!商店街コンシェルジュ(※)!」
※:コンシェルジュ
コンシェルジュは本来「集合住宅(アパルトマン)の管理人」という程度の意しか持たない単語である。
そこから解釈を広げ、ホテルの宿泊客のあらゆる要望、案内に対応する「総合世話係」というような職務を担う人の職名として使われている。
宿泊客のあらゆる要望に応えることをそのモットーとしていることもあり、「(宿泊客の要望に対して)決してNOとは言わない」と言われている。
北斎「え?」
「あら?」
北斎「……」
「まあ、お父さん。いつのまにこんな若くてイケメンになって……」
シェフ「親の顔を忘れるような娘はとっととイケメンのところでもどこでも嫁に行け」
「冗談、冗談。お客さん?」
北斎「あ…いや…。ちょっと道を教えてもらってただけで…すぐ帰ります。」
シェフ「大丈夫かい?もう三回も同じところグルグル回ってるのに」
そういってイケメンは道を(三回目らしいが)聞いて、出て行った。
シェフ「絵里でどうしたって?」
絵里「……あ、そうそう。やることになったたのよ。商店街コンシェルジュ!私の出した企画が通ったの!」
シェフ「ほう」
~~
絵里「コンシェルジュっていうのはホテルとかにいる観光案内人のことでね、この商店街に私の働いているホテルキャピタルプラチナがコンシェルジュの出張所を作るの!ホテルが地元の名店と協力して、観光客を案内したり、英会話を指導したり。地元のお店を観光資源として活用することでホテルはお客様を呼んで、それぞれのお店はそれぞれの持ち味でお客様に楽しんでもらう。これは同じようなことをロイヤルパークホテルとかでもやってるの。」
レストランに集まった年配、中年の男性から女性、それぞれの顔はあまりいい表情はしていない。
「絵里ちゃん洋品店の田村さん今月いっぱいでお店をたたむんだって今年に入ってもう三軒目だよ。ここもいよいよシャッター通りになりかかってる。」
「絵里ちゃんは一生懸命やってくれてるけど」
「いまさら何をしたって……」
絵里「あ……」
どこか冷めたムードの中を誰かが拍手しながら歩いてくる。
眼鏡の男「いいアイディアだと思うよ。うん、絵里ちゃんらしいいいアイディアだ。」
絵里「的場さん」
的場「僕の会社も応援するから、ぜひ一緒に頑張らせてほしいな」
絵里「あ、ありがとうございます。うれしいです。えへへ…」
北斎「……」
「話だけ聞くとなんだがよさそうだけど…」
「そう思い通りにいくかなあ?」
絵里「大丈夫、ホテルがね。経営アドバイザーを用意してくれるから、だからきっとうまくいくよ。ね?みんなで頑張ろう?」
北斎「……」
「絵里ちゃんがそういうと……」
「なんだか上手くいきそうな気がしてくるね。」
北斎「……」
「絵里ちゃんの笑顔は元気の素だね。」
「ひとつやってみょうか。ははっ」
北斎「……」
話がまとまったところで商店街の顔ぶれではない男がひとり突っ立っているのに全員の視線が集まる。
「……あんたは?」
北斎「すみません、どうしても駅に行けないんです。ホテルキャピタルプラチナ…シャトルバスが出てるらしいんですが…。」