ー日常ー街の住人達【5】

ー池袋:摩天楼ー

窈「こちらいつもの返済です」

凍夜「はい、毎度。いやー、振り込みじゃなくて現金で持ってきてくれるのは助かるよ」

窈「無利子で貸していただけてるので、このぐらいのことはしますよ」

詠子「コーヒーです」

窈「ありがとう。」

凍夜「っていっても、そろそろ全額返済できるんじゃない?」

詠子「今の額でなら……あと二回ぐらいですね。」

凍夜「あら、ホントにもうすぐだった。あ、ヨミちゃん。俺にもコーヒー。」

詠子「午後ティでいいですか?」

凍夜「コーヒーっていったのに……」

詠子「冗談です。アイスとホットどちらがいいですか?」

凍夜「今日は肌寒いからホットで」

詠子「はい」

窈「……もうすぐ返済なら、ちょっとお願いがあるんですけど」

凍夜「なにか?」

窈「ちょっとそろそろ車、自家用車を買おうと思ってるんですけど」

凍夜「車か、いいね。何買うのランボルギーニ?」

窈「そんな高いのかいませんよ」

凍夜「そうなの?ムルシエラゴとか乗ったらいいのに」

詠子「それ、普通に2.3000万しますよ」

凍夜「まぁ、するよね。」

詠子「そういう車が好きなんですか?」

凍夜「まぁ、普通かな」

窈「乗り潰すし普通に軽でいいんですけどね。」

凍夜「最近は軽も良く走るしね。」

窈「はい、ひれでいいにくいんですけど。少しまとまったお金を借りたいんです。車の頭金にしいので……」

凍夜「なるほどね。いいよ」

詠子「社長」

凍夜「まぁまぁ、窈さんは今まで一度も返済が滞ったことないんでし。」

詠子「だからってホイホイ貸さないでください」

凍夜「でも、2.3000万をまとめて貸せって訳じゃないよね」

窈「だからランエボは買いませんて……」

凍夜「ということらしいし」

詠子「はぁ…。まぁ、いいですけど」

窈「申し訳ない」

凍夜「いいよ。じゃあ、必要な額が見積もれたらまた来てくれる」

窈「はい、といっても、ホント中古で安いのを探しますから」

詠子「あまり安すぎるのを買ったら高くついたりしますよ」

凍夜「まぁ、そうだね。ちょっと無理してでもいいもの買ったら?」

窈「うーん」

凍夜「いいものっていっても軽トラってオチじゃなしで」

窈「さすがに軽トラは買わないぁ。買ったら、自分で使うより悠君が使いそうだし……」

詠子「軽トラって一台あると便利ですからね。」
47/100ページ
スキ