ー日常ー街の住人達【5】

ー鈴木家ー

電話がかかりすずピーこと鈴木先生が電話を取ると。

鈴木「はい、ああ塾の……えっ?」

鬼瓦『お嬢さんが気味の悪いものを見たとかで酷く取り込みましてね。』

鈴木「あの、気味の悪いものというのは?」

鬼瓦『いや、幻覚だか何だかわからんのですが。とにかく授業を受けれる状態ではないので相対させます。仲の良い子に送らせますのでよろしく。』

鈴木「は、はぁ…」


~~


しばらくして塾が終わった頃、マリアは何食わぬ顔でひな子の迎えへとマリアは向かった。

マリア「さてとひな子様は……」

「「「がやがや、わいわい」」」

ぞろぞろと生徒が出てくる。出てくる……出て……。

最後のひとりと思しき生徒がで行ったがひな子は見当たらない。

マリア「おやあっ?」


~~


ー鈴木家ー

電話があってから少ししてピンポンっとチャイムがなった。

鈴木「帰ってきた。順子いったい……!?」

ひな子「ハッ!」
順子「……」

帰ってきた娘と一緒にいるのはひな子だった。

鈴木「あなた!」

ひな子「順子ちゃんって先生の……!」

順子「え?」

ひな子「知らなかった。塾では音楽やファッションや楽しいおしゃべりしかしないから……お互いのお家のことは話したりしないから。」

小さく震えるひな子。

鈴木「……」

フーッと落ち着くように呼吸を整えるとひな子はいった。

ひな子「塾では順子ちゃんと仲良くさせていただいてます。順子ちゃんが変な物を見たとかで怖がってるので送らせていただきました。明日も一緒に塾へ行く約束をしたので6時にお迎えに参ります。」

鈴木「…………」

ひな子は順子の方へ振り向くと。

ひな子「大丈夫よ。明日も変な奴が出たらあたしがやっつけてあげるから」

順子「うん、ありがとう」

ひな子「しつれいします」

一礼して帰っていく。

鈴木「しっかりしてるのね。」

順子「ひな子ちゃん?寄りになるし優しいしクラスの人気者よ。あたしの一番仲の良いお友達よ。」

すずピーは自分の顔を手でおおった。そしてすぐにひな子の追う。

鈴木「まって送るわ」

ひな子「えっ、はいっ…。」


~~


玄関を開けたところでひな子の母は硬直した。とっさに娘の腕を掴むと家の中へと押し込んだ。

奥様「ひな子はいってなさい!」

ひな子「えっ、あの」

奥様「何しにきたの!」

鈴木「実は塾で……こういう事があって娘がひな子ちゃんに親切にしてもらいました。ひな子ちゃんは……いい子ですね。」

奥様「!!」

鈴木「わたしは何をしていたんでしょう。ひな子ちゃんは悪くないのに、関係ないことなのに……昔のことを根に持って酷いやつ当たりをして……すみませんでした。謝ってすむことではありませんが明日からは安心して登校させてください」

涙を浮かべ腰を折って謝罪するすずピー。

奥様「ちょっとまちなさいよ!あなたに先に謝られたらあたしの立場はどうなるのよ!あたしの方こそ悪い事したなーと思ってたのよあとから考えたら凄く嫌な思いをしたんだろうなって!でもほんとにいじめてるつもりなんかなかったのほんの冗談のつもりだったのよ!」

鈴木「じやあ今までのことを許してくれますか」

奥様「許すも何も!はっ、塾で見た気味の悪いものに心当たりがあるわ!」

慌てて電話をかけて鬼瓦先生にやめさせようとした……が、鬼瓦は知らないという。何をしらばっくれようとと家政婦がお金を渡しただとおと問い詰めたが。

鬼瓦『品物ならともかく生徒の父兄から現金何か受け取ったら首ですよ。私そんな度胸はありませんよ。』

奥様「ということは……」

マリア「奥様ー!ひな子様が塾にいません行方不明です!!」

鈴木「……」

マリア「って、あれ?」

奥様「お前か」

マリア「えっ?」

奥様「お金は?」

マリア「!?え、えーと……」

懐から預かっていた札束の入った封筒を差し出す。

奥様「主人の命令も聞かずにネコババしようとしたわね!なんて人でしょうクビよ!!」

マリア「待ったください!聞いてくださいこれには訳は!!」

奥様「問答無用!でていけー!!」

マリア「ひーん!」

奥様「……ふぅ、入ってお茶でも入れるわ」

鈴木「ええ」

マリア「あたしが、あたしがなにをしたというんだぁーーーー!!」

むくわれないマリアでした。
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